2017年度 活動レポート 第6グループ:宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスを訪問

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第28号

さくらサイエンスハイスクールプログラム第6グループ
JAXA(宇宙航空研究開発機構)相模原キャンパスを訪問しました。

第6グループのA班(インドの42人)は来日して6日目の2017年6月9日(金)に、宇宙研究開発機構(JAXA)相模原キャンパス(神奈川県相模原市)を訪問しました。JAXAは2003年に宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)が統合されて発足した機関ですが、相模原キャンパスはISASの本拠地だった場所で、宇宙に関する様々な学術研究や研究開発を行っています。

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屋外にはM-Vロケットの実機模型とM-3SIIロケットの原寸模型が展示されています。

インドの高校生たちは相模原キャンパスに到着後、まずISASの山村一誠准教授からISASの概要説明を受けました。これまでの日本の宇宙開発の歴史や2014年に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」に関する話題など、次々に現在進行中のプロジェクトについてお話しいただきました。

写真2
インドの引率者の1人は生物の先生で、構内で松ぼっくりを集めていました。(インドの松ぼっくりはリンゴ大ほどもあるそうです)

その後、小グループに分かれて研究所内を見学しました。完成したばかりの宇宙探査実験棟に作られた「宇宙探査フィールド」は月の表面地形を模した約400平米という広大な砂場のような実験場です。月の表面を探索するロボット等の性能実験を行うためのもので、実験目的に応じて表面の形態や環境を変えることができます。まだメディアにも公開されていない施設で、インドの高校生が初めての訪問グループとのことで、皆、真剣に説明を聴き、新しい施設に注目していました。(写真撮影は不可でした)

写真3
小惑星探査機「はやぶさ」の実物大模型の前で。(山村准教授に案内していただきました)

また、構造機能試験棟では繰り返しの使用が可能なロケット(RVT-9)の実験現場を見学することができました。通常のロケットは使い捨てで、そのことが宇宙輸送機のコストを莫大にしています。ロケットの再利用が可能になれば、環境問題や資源節約の点でも好ましく、宇宙旅行の夢もより現実的なものになると伺いました。(こちらも写真撮影が不可でした)説明してくださったのは、宇宙科学研究本部の稲谷芳文教授でしたが、インドの高校生たちは稲谷教授の話に引き込まれ、説明が終わって試験棟を離れてからも教授に質問を投げかけていました。

写真4
予定の時間が過ぎ、試験棟を離れたあとも、稲谷教授を離さず、質問攻めでした。