さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第11号
さくらサイエンスハイスクールプログラム第3グループ
7カ国、121名の高校生らが順天高校を訪問
来日中のハイスクールプログラム第3グループの高校生たち(フィリピン・マレーシア・ウズベキスタン・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・トルクメニスタン)121名(引率者を含む)が、スーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されている順天高校(東京・北区)を5月16日(火)に訪問しました。
順天高校に到着した高校生たちは、同校サイエンス専攻の高校生たちに出迎えられ開会式に臨みました。最初は緊張した面持ちの高校生たちでしたが、式後はすぐに打ち解け、グループに分かれてお互いに自己紹介をしたり、笑顔で会話を楽しんでいました。
午前中は、各国と順天高校の高校生によるポスターセッションが行われました。発表は自国の説明をはじめ学校や教育システム、ゲームのプログラミングや研究など多岐にわたる内容でした。最後に優秀作品として見事1位に輝いたのは、ウズベキスタンの学生が自国についてまとめた発表でした。
昼食もアジアの高校生たちは日本の学生たちと一緒に楽しみました。それぞれの国から持参したお菓子もデザートとして全員に配られ、珍しいお菓子を高校生たちは興味深げに味わっていました。
午後は日本を代表する数学者、東京理科大学教授の秋山仁先生の講演です。司会者の女子高校生の紹介で、トレードマークのバンダナを頭に巻いた秋山先生が登場。「” Welcome to Math- Spectacle Show”( ようこそマス・スペクタクル・ショーへ!)」という第一声で講演は始まりました。 先生は、緊張している高校生たちをリラックスさせるため各国の学生に話をかけたり、日本の自然、食、文化やスポーツなどの説明を行った後、秋山ワールドへと導いて行きました。
まずは Finding Errors and Correcting Them( 間違いを見つけ、それらを修正する)という講義です。「CDは表面にキズがついても、なかに入っている音楽はちゃんと聞けます。それはプログラムに『エラー修正コード』が埋め込まれているからです。これは数学の有限群論の応用です」。先生はフィリピンの高校生をステージに招き入れ、ホワイトボードに書かれている数字を選んでもらい、それを当てるというゲームを通してこの理論を分かりやすく解説してくれました。
続いてOptimal Stopping(最適停止理論)やForeseeing the Future(未来予測)などの数学理論も実習を通して高校生たちに指導してくれました。 さらにマンフォールはなぜ円形なのか数学的に解明をしたり、三角形の車輪を持つ車がどうして円形のタイヤのようにスムーズに進むのかを模型を使って実演を行い、秋山先生のマス・スペクタクルショーの2時間はあっという間に終了しました。