2017年度活動レポート(一般公募コース)第440号
ミャンマー、ヤンゴン大学の若手教員が日本の教職課程と科学技術を学ぶ
城西大学からの報告
城西大学理学部は、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、2018年2月22日から2月27日の10日間、ミャンマー連邦共和国ヤンゴン大学の自然科学系若手教員10名と引率の先生1名の計11名を受け入れ、日本の教職課程および科学技術の現状を理解することによりミャンマーの教育・科学レベル向上に必要な改正の参考となること、および将来本学との教育研究の連携を目的として、交流プログラムを実施しました。
プログラム初日は城西大学坂戸キャンパスにおいてオリエンテーションとウェルカムレセプション、午後からはキャンパスツアーを行いました。キャンパスツアーでは、2020年東京オリンピックに向け、ミャンマーのオリンピック選手団の強化トレーニング場として予定されているスポーツ施設や、薬草園、分析機器センターなどの研究施設を見学しました。
2日目から3日間は大学内で日本の理科系教育についての説明を受け、先生方の専門分野によってマテリアルサイエンス、バイオ、数学の三班に分かれて各研究室の見学と具体的な実験方法を習得して演習に参加したり、専門の講義を受けたりして大学の理科教育と研究手法を実体験しました。
研修4日目からは地域連携の一環として、東京オリンピック・パラリンピックのミャンマーホストタウンとなる鶴ヶ島市役所を訪れ市長表敬訪問を行った後、市のアレンジメントにより市内清風高等学校の理科教員の先生と理科教育に関する説明を受け意見交換を行いました。また、東京電機大学埼玉鳩山キャンパス、リモート・センシング技術センターを見学しました。
東京電機大では地震研究、学生中核のソーラーカー開発、医療研究など先端技術の研究を見学し日本でも珍しく学部生にHonors Degreeを与える制度についてヤンゴン大学でも同様な制度があるので意見交換を行いました。リモート・センシング技術センターでは日本の衛星データの位置情報や画像データの解析技術の講習を受け、衛星データによる地球温暖化や森林変化、衛星画像技術の農業への応用について説明され日本の先端技術の活用を学びました。
また、地域連携見学最後として鶴ヶ島市、養命酒(株)、市民NPOによるメガソーラー施設を見学しました。
研修の後半は日本科学未来館、国立科学博物館を見学しました。
研修最後の日は城西大学紀尾井町キャンパス、東京大学柏の葉キャンパスを見学しました。城西大学では学内の博物館で独自に所有している古典展示品について館長および学芸員から英語で説明された後、見学者全員が特別企画として古代ギリシャの石から生物を発掘する作業を指導され、皆考古学者となった気分で一生懸命石を割って発掘しました。
東京大学柏の葉キャンパスでは、超高齢社会に対応するセンシング技術の先端研究に取り組んでいる研究室などを見学し、交流会に参加しました。交流会には人間環境学専攻OBで現在ミャンマーヤンゴンプレスIT部門取締役責任者も参加され、今回の研修、ミャンマーの教育関連などをテーマに意見交換を行いました。
受け入れ機関として感銘を受けたのは、参加した若手教員10名が研修期間中明るく積極的に皆と接し、終始真摯な姿勢で見学をしていたことです。堪能な英語でコミュニケーションにも支障がなく、「今後も二か国の教育研究の発展につながる交流をしたい」「日本の教員がミャンマーへ訪問し、自分達も日本に研究交流のためまた訪問したい」と要望を述べていました。
最後に、本プログラム実施の機会をくださった「さくらサイエンスプログラム」と、本プログラムの実施を支えてくださった教員と事務職員の皆様、地域連携に協力をしてくださった皆様、競争的資金室ご担当者様に深く感謝申し上げます。