2017年度活動レポート(一般公募コース)第438号
軽水炉の健全性を確保するための原子炉構造材の最先端分析技術
長岡技術科学大学からの報告
長岡技術科学大学では、ダナン工科大学、ダナン工業大学より10名を招へいして2月22日から3月3日までの間に共同研究活動を実施しました。長岡技術科学大学の加速器や高温高圧水環境下材料強度試験装置、電子顕微鏡などの最先端設備を活用した、原子炉構造材の健全性評価に関する共同研究を実施しました。
応力腐食割れ試験装置の実験を実施して、フレッティング腐食部での酸化やフレッティング損傷に関する実験を行いました。そして、顕微ラマン分光装置という最先端の装置を用いて、酸化物の構造に関するデータを取得し、応力腐食割れ試験条件との対応を検討しました。そして、加速器を用いた元素分析において、放射線発生装置である加速器の安全運転のための講習や、放射線計測などを行い、安全に放射線を利用するための手法を体験し、元素分析結果についての活発な討論を実施しました。また、終了時には成果報告とそのディスカッションも行い、活発な討論が交わされました。
滞在期間中に、共同研究活動のみならず日本人学生や本学留学生との交流も積極的に行われました。学生との交流会では、お互いの興味や文化など様々な点について英語での会話でコミュニケーションをとっており、日本人学生にとっても大変良い刺激となりました。そして、本学のベトナム人学生とも課外時間に多くの交流の機会を設け、日本留学体験などについて活発な意見交換が行われたそうです。
滞在期間は14日間と短期間ではありましたが、濃密な実験と討論が行われ、参加者は大変満足しているようでした。帰国後の共同研究活動についても打ち合わせが行われ、今後も共同研究を進めていくため交流をより活発にしたいとの思いがより強くなりました。