2017年度活動レポート(一般公募コース)第434号
ミャンマーの大学生がオゾン生成技術の基礎となる放電・プラズマに関する研究を学ぶ
金沢大学からの報告
ヤンゴン工科大学より2018年2月26日(月)~3月5日(日)の日程で、学部生8名と引率教員1名を招へいしました。
初日
オリエンテーションとキャンパス・ツアーを実施しました。関係教職員やプログラムをサポートしてくれた本学学生と参加学生との交流を深めることができました。ミャンマーの学生には雪が物珍しく喜んでいる様子でした。
2日目
金沢大学自然科学研究棟2号館5階の実験室において、午前中より実験室における安全講習会を行いました。その後に、研究室にてプラズマ生成用の電源やガスボンベの取り扱いなど、様々な実験設備の利用方法について講習を行いました。
3日目~5日目
放電現象により生じるオゾン濃度の測定や発光分光法による放電中の化学種の調査など、3つの班に分かれて研究活動を行いました。
6日目
実験をまとめるための議論を行い、powerpointによる研究報告用の資料の作成の下準備を行いました。この日の夕方から、大学内のレストランにおいて、教員と日本人学生およびミャンマーから本学の博士後期課程において研究活動を行っている学生らが参加し、相互に深く交流を行うことができました。JICAによるミャンマー国における工学教育拡充プログラムに参画している本学の教員の中にはヤンゴン工科大学を訪れた経験を持っている方が複数名いたため、ミャンマー及び日本における話題で話が途切れることはありませんでした。
7日目
新幹線により東京へ移動し、東京都の水道歴史館を見学しました。ヤンゴンはミャンマーの最大都市であり、東京は日本の最大の都市であることをふまえて、東京における水道に「放電に関わる技術」が用いられていることを学びました。また、長い歴史を経て、現在のオゾンを用いた高度浄水設備が広く普及している状況について認識を深めることができました。水道歴史館においては、水道が関わる昔の庶民の暮らしの展示もあり、当時の様子も知ることができたため、日本の歴史に対する理解が広がったものと思います。
8日目
東京大学まで徒歩圏内にある宿に宿泊し、早朝に東京大学の敷地内を散策したのちに、日本科学未来館に行きました。地球環境に関わる様々な技術、日本が地球や宇宙に関わっている科学技術についての理解を深めました。午後は東京都水の科学館を訪問し、現在の東京における水道技術について学びました。夕方に、新幹線にて金沢へと戻り、金沢市内のホテルに宿泊しました。
9日目
午前中に、金沢大学自然科学研究棟の本館にある講義室で、共同研究活動の紹介および得られた成果の発表会を行いました。研究室の学生、教員が参加し、活発な質疑応答がなされました。研究成果発表会の終了後に、修了証の授与を行いました。
午後は、本学学生との交流および金沢の文化に触れてもらう機会として、本学学生とともに金沢市内の施設へ出かけ、楽しいひとときを過ごしました。名残を惜しみつつ3月5日に全員が帰国の途につきました。
限られた期間ではありましたが、プログラム修了後のアンケートにて、学生達にとって非常に学びの多い充実した日本滞在であった様子がわかりました。貴重な機会をご提供いただきました「さくらサイエンスプログラム」に、心より感謝申し上げます。