2017年度活動レポート(一般公募コース)第427号
中国の優れた計算機科学専攻学生のための研究・文化交流プログラム
岡山大学からの報告
2018年3月4日から11日までの間、「さくらサイエンスプログラム」の支援により、東北大学の計算機科学分野の大学院生3名、学部生7名、教員1名を岡山大学に招へいしました。
東北大学は中華人民共和国遼寧省瀋陽市にある総合大学であり、岡山大学とは2015年に大学間交流協定を締結しました。中国有数のIT企業Neusoftが東北大学から生まれたことからわかるように、計算機科学の分野で優れた研究と教育を行っています。本プログラムでは、計算機科学専攻の優れた学生を招き、研究交流、科学技術交流、文化交流を目的として様々なイベントを実施しました。
研究交流では、第一に、岡山大学工学部情報系学科の9研究室がプレゼンテーション・デモ・演習等の様々な形で最新の研究内容を紹介しました。東北大学の学生達は各研究室の教員や学生の説明に熱心に耳を傾け、また説明の後には積極的に質問するなど、同学科の幅広い研究内容に強い興味を持ったようです。第二に、両大学の学生によるワークショップを開催しました。初めに岡山大学のゼイネップ・ユジャイ助教による基調講演を聴き、それに続いて東北大学の学生10名と岡山大学の学生8名が一人3分程度で自身の研究の概要をスライドで発表しました。その後会場を大学附属図書館に移して18名の学生を発表者とするポスターセッションを開催しました。学生の交流を促すため発表者も他の発表を自由に聴いてよいことにし、そのおかげで各ポスターの前では両大学の学生による熱心な議論が行われていました。
科学技術交流では、兵庫県の播磨科学公園都市にある大型放射光施設SPring-8およびX線自由電子レーザー施設SACLAと、倉敷市の水島臨海工業地帯にあるJFEスチール株式会社西日本製鉄所を訪問しました。SPring-8とSACLAでは、計算機科学専攻の学生らしく、CCDセンサで取得したデータの計算機処理に関する質問が多く出ていました。JFEスチール株式会社では、製鉄工場の規模の大きさに驚きながら、溶鉱炉から出てくるオレンジ色の溶鉄や圧延工場を見学しました。
文化交流では、姫路城の見学、姫路城に隣接する好古園での抹茶体験、香川県琴平町にある中野うどん学校での麺打ち体験、後楽園の見学、倉敷美観地区の見学を行いました。また、文化交流の一環として、東北大学の学生10名と岡山大学の学生10名によるグループディスカッションを行いました。20名の学生を5グループに分け、グループ毎に異なるテーマ(大学生活/子どもの遊び/食文化/年末年始の過ごし方/スマートフォンの使い方)で議論してもらいました。両国の類似点や相違点を見つけていく作業は大いに盛り上がり、お互いの文化を理解するよい機会となりました。
東北大学の学生達は本プログラムを通して日本の科学技術や文化に大いに興味を持ったようで、全員が再来日を強く希望していました。本プログラムの成功を活かし、今後も東北大学との学生交流を続けていきたいと考えています。