2017年度 活動レポート 第420号:日本ユースリーダー協会

2017年度活動レポート(一般公募コース)第420号

ミャンマーの大学生が、未来に役立つ科学技術を体験

日本ユースリーダー協会からの報告

(公財)日本ユースリーダー協会は、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、ミャンマー連邦共和国より、ヤンゴン大学(2名)、チャウセ-技術大学(4名)、ダゴン大学(3名)、情報技術大学(1名)、ヤンゴン薬科大学Ⅰ、Ⅱ(4名)及びヤンゴン経済大学(2名)から合計15名の大学生を招へし、「日本の最先端科学技術の見学、受講及び交流を通して、ミャンマーでの未来に役立つ科学技術の体験」をテーマに研修を実施しました。

来日したのは、急速な経済成長が継続されるミャンマーから、当協会と30年以上の交友関係にあるJAAM【JICA殿招へい事業に参加したOB会組織】の協力により選出された日本と科学技術に関心が高い優秀な学生です。7日間という短い期間ではありましたが、十分な成果を得て帰国されたと確信しています。

研修中は下記プログラムを通じて、産業先端技術、エネルギー、地球環境、ロボット技術などの各視点から日本の科学技術を学び、また日本側の協力大学(東京経済大学)との交流など通して日本の文化、環境などの理解を深めてもらいました。

2日目(2月25日) カップヌードル博物館にてインスタントラーメンの製造体験及び交流会

東京経済大学の学生達(41名)のご協力を頂き、製造体験を通して身近な食品製造工程を楽しみながら体験、学習しました。また、学生達との移動、食事、交流により、より身近な生活体験も出来て、日本の生活環境を体感してもらえました。

*東京経済大学で本件の交流会を掲載したURL :
http://www.tku.ac.jp/campus/exchange/news/post-51.html

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早朝成田空港に到着
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ラーメン製造体験

3日目(2月26日) 新日鐵住金株式会社鹿島製鉄所視察

世界最高の技術力とものづくりの力で、鉄事業を通じて社会に貢献する新日鐵住金株式会社の鹿島製鉄所では、熱気を肌で感じながら、迫力ある製鉄の行程を興味深く見学しました。特に熱間圧延工場では、鉄の塊が一気に板状で延ばされる光景に圧巻されている様子でした。見学後は、熱心で活発な質疑応答が行われ、製鉄・発電・エネルギー・環境を総合的に学ぶとてもよい機会になりました。「このような大きな工場で将来働きたい」との感想を述べてくれる学生もいて、快く「視察」を受け入れてくれた関係者を喜ばせてくれる場面もありました。

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工場見学時の記念撮影
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浅草での夕食時

4日目(2月27日) TEPAI先端技術館及びNEDO殿による「新エネルギー」の講演

TEPAI先端技術館で、最新のセンサー技術を体験(年齢を読み取るなど)、ロボット技術の一端を体験することが出来ました。新しい感覚、動機付けになってくれると思います。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の協力により「最新のエネルギーの開発」 及びアジアでの展開について講義を頂き、学生達の深い興味を引いていました。将来を担う学生達が具体的なエネルギー問題に興味を持ってくれて、頼もしさを感じました。自国で急激なエネルギー増加が見込まれる中、有意義な講義になりました。

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TEPAI 先端技術館にて
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NEDOにて受講後の記念撮影

5日目(2月28日) JRE水戸39MW大型太陽光発電所の見学

日本国内で再生可能エネルギー事業を展開しているJRE(ジャパン・リニューアブル・エナジー(株))の協力で、現地発電所の見学が実現出来ました。実際に現場太陽光パネルの見学、制御室では、発電状況の説明など、なかなか入れない発電所での良い体験、学習機会になりました。 ミャンマーでの太陽光発電の可能性は非常に高く、具体的な事業も動き出しているので、学生達の質問も具体化していて感心させられました。移動中に、梅の季節に「水戸偕楽園」の散策が出来て学生達も興味深々でした。

URL : http://www.jre.co.jp/community/event.html#ev03

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水戸太陽光発電にて記念撮影
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水戸偕楽園にて梅祭り見学

6日目(3月1日) 「最新の電力供給システム」の講義及び修了式

分散型電力供給システムについて、㈱日立パワーの技師より講義をしてもらいました。先進国とは異なるエネルギーシステムの開発が必要なミャンマーの事情に合わせた「システム」の紹介があり、多数の質問が交わされました。一つでも多くの技術を習得しようとする姿が覗えました。

日本ユースリーダー協会の常務理事・事務局長 加藤弘次より各自に「修了証書」が授与されました。感動のあまり涙ぐむ学生もいるなど、今回のプロジェクトの成果を実感した場面でした。

大変充実した一週間であり、日本の科学技術への更なる関心を高められた貴重な機会となったと感想が寄せられました。日本文化をもっと理解したい、再び日本を訪れたいという思いが膨らんだと聞き、受け入れ機関として、成功の理に終わったと喜びに浸ると同時に、成功の大きな要因として、各訪問先の多大なる協力、ご厚意によるものと、心より感謝しております。

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代々木公園の「さくら」とともに
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民族衣装での修了証書の授与