2017年度活動レポート(一般公募コース)第411号
宮崎大学医学部での最新の分子組織細胞化学技術の習得
宮崎大学医学部からの報告
宮崎大学医学部では、さくらサイエンスプログラムの支援により平成30年2月26日から3月7日の日程でモンゴル国立医科学大学から教員、研究員、大学院生の計11名を招へいしました。参加者のほとんどが医学教育に携わっていることから、宮崎大学医学部の医学教育について、また医学部附属病院内の施設にも大変興味を持ってプログラムに参加し、日本とモンゴルの医療について比較し、活発な意見交換が行われました。
参加者は宮崎大学の池ノ上学長を表敬訪問し、両大学の今後の交流活動展開について話をしました。また、提案申請者の菱川教授によるプログラムの概要ならびに研究室の紹介と研究に関する講義を受講しました。
参加者は研究に強く関心を示し、限られたスケジュールの中でマウスを使った組織切片の作成を行い、ヘマトキシリン・エオジン染色、メチルグリーン・ピロニン染色、PAS染色やin situハイブリダイゼーション法等の実験を体験しました。
また、宮崎大学のバイオイメージングセンターでの実習では、透過型電子顕微鏡 (TEM)と走査電子顕微鏡 (SEM) を用いて生体試料の超微形態構造を観察し、レーザー走査顕微鏡 (LSM) を用いて組織片のタンパク質の発現を検出しました。
週末には地域文化視察として鹿児島県を訪問し、鹿児島の歴史、文化、自然、産業などについて学習しました。モンゴルは内陸国のため海に馴染みがなく、参加者は鹿児島水族館でイルカやサメなどの様々な海洋生物を初めて目にし、大変喜んでいました。また、指宿市の砂むし温泉を体験し、火山と共生している日本の生活に強い関心を示していました。
プログラム期間中に宮崎大学医学部附属病院の救命救急センターを視察し、ドクターヘリ運航による救急医療体制や救急外来のシステムについて講義を受けました。宮崎県の市町村の多くは山間部にあり、重症なケースの患者を救うため、また患者搬送にドクターヘリが活躍しています。モンゴルは広大な国土に人々が散らばって住んでいるため救急医療サービスが難しいこともあり、参加者は宮崎県の救急医療システムに感心していました。
最終日にはプログラムを振り返り、参加者が日本で学んだことや今後の展望などについて発表を行いました。発表後に丸山医学部長からさくらサイエンスプログラムの修了証書を授与され、研究室のスタッフと最後のランチと交流を楽しみました。
今回のさくらサイエンスプログラムが日本とモンゴルとの間に実りある交流をもたらし、2国間の国際協力がさらに発展することを祈念いたします。