2017年度活動レポート(一般公募コース)第403号
配管検査ロボットの基礎教育と知的配管ロボットの日印共同研究プログラム
早稲田大学からの報告
2018年1月、早稲田大学大学院情報生産システム研究科(IPS)において、インド工科大学カンプール校機械工学科の学生7名を迎えて配管検査ロボットの基礎教育と知的配管ロボットの共同研究が行われました。
1月22日に、インドのデリー空港、成田空港、羽田空港、福岡空港を経由して、北九州学術研究都市にある早稲田大学大学院に到着しました。早速、早稲田大学の関係者2名と一緒に歓迎会を開催しました。
プログラムでは、1月23日から26日の4日間で、配管検査ロボットについてのこれまでの共同研究の成果を教科書としてまとめた「Pipe Inspection Robots for Structural Health and Condition Monitoring(Springer:2017):Harutoshi Ogai ,Bishakh Bhattacharya著」を用いて、日印両国から講義が行なわれました。
最初の2日間は、早稲田大学の教員と博士課程の学生から講義や説明を行いました。日本での下水管ロボットの現状、配管内の無線通信特性や無線通信システム、およびカメラを用いた配管内欠陥検出方法、配管検査ロボットの機械設計について説明しました。インドからは、SKYPEを用いて、Bishakh Bhattacharya教授より遠隔講義が行われました。ガスや石油管のロボットの現状、スマートマテリアル、構造ヘルスモニタリング方法の説明が行われました。
週末の1月27日には、福岡市を訪問し、福岡タワーや福岡市科学館にあるロボットスクエアを見学しました。
ロボットスクエアは、福岡タワー横の施設から福岡科学館に移転をしていました。ロボットスクエアには、SONYのAIBOや介護ロボット、安川電機の工業用ロボットの展示がありました。
1月29日から、インド工科大学と早稲田大学の共同研究として、知的配管ロボットの研究開発を開始しました。
配管ロボットとして、配管のサイズが直径200mm~300mmに対応可能なロボットの設計を早稲田大学で行い、このロボットに対応する制御システムの開発を、ラズパイ(Raspberry Pi)およびROS(ロボットOS)を用いて行いました。
最初に設計されたロボットの説明が早稲田大学から行われ、その設計の基、そのロボットに搭載する制御ソフトウェアの開発が行われました。センサとしてカメラ、超音波センサ、レーザポインターを使用して、配管内部の欠陥検出方法の検討と開発が行われました。無線通信を用いたロボットモータ制御の開発が行われました。
2月8日に、本プログラムの成果報告会を行いました。最初に参加者全員より開発した制御システムの説明と小型ロボットを用いたデモ実験が行われました。
2月8日午後には、北九州スペースワールド駅の北九州市自然史博物館を見学しました。博物館の中で、自然の歴史、恐竜の展示、北九州市の昔の街並みや風景を楽しみました。
本プログラムにより、インドおよび日本の大学の学生や教員の交流や共同研究が深く進められました。このような交流のきっかけを与えてくれたさくらサイエンスプログラムに、深く感謝します。