2017年度活動レポート(一般公募コース)第384号
物性物理学・物理化学を通じた日本と台湾の国際研究交流
横浜市立大学からの報告
横浜市立大学では、「さくらサイエンスプログラム」の支援を受けて、2018年3月4日から10日まで、台湾国立師範大学の学生10名および引率の教員1名、計11名を横浜市立大学へ招へいし、学生交流会、合同シンポジウム、研究所見学、日本科学未来館見学等を実施し、学生間の学術的な交流を深めました。
3月5日(月):横浜市立大学の研究室見学・学生交流会
横浜市立大学に所属する物性物理学、地震学、有機化学、無機化学、物理化学などの分野の合計16の研究室を見学して頂きました。いずれの研究室においても、横浜市立大学の学生が研究内容を説明しました。次に、学生交流会を開きました。交流会においては、簡単な共同作業をとおして緊密なコミュニケーションの重要性について学びました。
3月6日(火):台湾国立師範大学・横浜市立大学・横浜国立大学合同シンポジウム
横浜市立大学の学生とともに、台湾国立師範大学・横浜市立大学・横浜国立大学の合同で、横浜国立大学にて開催された、ナノテクシンポジウムに参加しました。台湾国立師範大学の学生10人全員が1分間の口頭発表とポスター発表を行いました。台湾国立師範大学の1人の学生が表彰を受けました。
3月7日(水):国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)横浜研究所
横浜市立大学の学生とともに、JAMSTEC横浜研究所を見学しました。スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」に関する展示を見学しました。地球規模の気候変動、地球温暖化に対する取組について理解を深めました。
また、東南海震源域における地震・津波観測監視システム(DONET)についても見学しました。巨大地震発生を素早く検知するための、海底ケーブルなどの観測装置について説明を受けました。地震と津波に対する防災の重要性について学びました。今回招へいした学生には、台湾だけでなくインドネシア、フィリピンからの留学生もいました。日本、台湾、インドネシア、フィリピンのいずれの国も、過去に地震・津波による深刻な被害を経験しています。そのため、いずれの国の学生も真剣な面持ちで説明に聴き入っていました。
3月8日(木)日本科学未来館
横浜市立大学の学生とともに、日本科学未来館を見学しました。ヒューマノイドロボット「ASIMO」の実演を見て、実際の人間と寸分違わない動作に驚いていました。ドームシアターでは宇宙の創生を立体視する映像の迫力に感激していました。
3月9日(金):物質材料研究機構(NIMS)
横浜市立大学の学生とともに、物質材料研究機構(NIMS)の並木地区・桜地区にある、表面原子層の超伝導、希薄磁性半導体のエピタキシャル成長、強磁場中での半導体の分光などに関する数々の研究室を見学しました。総移動距離が約200kmにも及ぶハードな一日となりました。
7日間のプログラムでしたが、毎日が充実し、瞬く間に過ぎていくように感じました。台湾への帰国後も、台湾国立師範大学と横浜市立大学との学生間で電子メイル・ライン等を用いて交流が続いているようです。その様子を見て、単なる学術交流以上の成果が、今回のさくらサイエンスプログラムで得られたと確信しています。