2017年度活動レポート(一般公募コース)第359号
ネパールの医学生が日本の先進的医療を体験する
国際医療福祉大学からの報告
国際医療福祉大学では、さくらサイエンスプログラムのご支援により、平成29年2月21日から2月28日までの日程で、ネパール・国立トリブバン大学から医学部生5名と教員1名、公立カトマンズ大学から医学部生5名を招へい致しました。
「ネパールの医学生に対する先進的医療体験」をテーマとして、我が国の最先端の医療機器やサービスに関する技術・知識等を紹介し、日本の医療や医学教育について興味を持ってもらうこと、また日本・ネパール間の国際交流を通じて、両国の医療事情や医療制度について相互理解を深め、医療に対する多様性や見識を深めることを目指したプログラムを実施しました。
研修初日は、昨年4月に開設した成田市の医学部キャンパスや学生寮を見学し、昼食会では医学部生との意見交換も行なわれました。また、医学部長による「医師としての心構え」などの講義を行ないました。
翌日は、本学医学部の教授陣から「21世紀の医学教育」、「ネパールと日本の医療制度」といったテーマの講義を行ない、日本の医療事情や医学教育とその将来像についての理解を深めました。
本学の附属・関連施設である栃木の国際医療福祉大学病院ではCTやMRI、PET-CT、リニアックなどの最新医療機器等を視察。都内では国際医療福祉大学三田病院や、山王病院・バースセンター、山王メディカルセンターを視察し、実際の医療現場の見学を通して日本の最先端の医療機器やサービスを学生たちに紹介しました。
本学の関連施設の1つである特別養護老人ホーム・障害者支援施設「新宿けやき園」を視察した際には、高齢の入居者の家族は面会に来ているのかといった質問が出され、日本の成年後見制度等についての説明がなされました。さらに、高齢者や障害のある方々が自立して過ごせるよう工夫がなされた入浴設備やトイレなども視察しました。
研修中の見学先である日本科学未来館では、各研修生が思い思いに興味を持った展示内容を見て時間が経つのを忘れているようでした。
研修最終日の修了式では、各々が本研修で印象に残ったことや本研修での成果を発表し、全行程を締めくくりました。発表の中には、日本の公共交通機関の時間の正確さや、日本人が互いに敬意を持って生活を営んでいることに感心したこと、日本が大好きになったといったコメントが聞かれました。
8日間という限られた期間ではありましたが、受け入れる側である本学にとっても、ネパールの医学教育事情などを知る貴重な機会となり、また、貴重な交流の機会を得ることができました。このような相互に実りの多い機会を与えてくださいました、さくらサイエンスのご関係者の方々に心より御礼申し上げます。