2017年度活動レポート(一般公募コース)第358号
分子接合技術のための有機材料の製造と成形に関する日中技術交流
岩手大学からの報告
岩手大学の産学官連携により行っている「有機材料の分子接合技術」に関する技術交流を目的に、2017年11月26日(日)から12月2日(土)までの7日間、岩手大学と交流協定を締結している中国の大連理工大学高分子材料科学専攻の大学院生10名と教員1名を岩手大学に招へいしました。
1日目
成田空港に教員が迎えに行き、成田エクスプレスと東北新幹線を乗り継いで、夜遅くに初冬の盛岡に到着しました。大連を出発したときに雪が降っていたそうで、盛岡の寒さも気にならない様子でした。ホテルで緊急時の連絡先と安全に関する説明を行いました。
2日目
大連理工大学の教員と岩手大学理工学部の教員からそれぞれの大学の紹介と研究内容の紹介を行った後に、大連理工大学の学生と岩手大学の学生による有機材料と接合技術の分野の研究発表会を開催しました。パワーポイントを用いたショートプレゼンテーションとポスター発表を行い、活発な意見交換を行いました。発表後に、大連理工大学の教員から岩手大学の学生に、大連理工大学オリジナルの実験ノートがプレゼントされました。
夜には交流会(総勢23名)を開催し、日本食を楽しみながら学生同士の交流が深まりました。
3日目
午前中は、岩手大学で実施している「有機材料の分子接合技術」に関して、耐熱性有機材料の合成実習と特性評価の実習を行いました。岩手大学の学生が合成実験の説明と実演を行なった後に、大連理工大学の学生がホットプレス機を用いて耐熱性有機フィルムの作製を行いました。
午後には、耐熱性フィルムの熱特性と光学特性の機器分析の実習を行いました。大連理工大学の学生は、真剣な表情で実習に参加していました。
4日目
この日は、岩手県内のプラスチックの成形メーカーを2社訪問しました。企業の方から分子接合技術の研究開発と製品について説明を受けた後に、実際に製造現場に移動して、製品の製造を見学しました。地域の中小企業のものづくり技術に直接触れることができ、日本の中小企業の技術力に感心していました。
5日目
この日が岩手県でのさくらサイエンスプログラムの最終日となるため、大連理工大学と岩手大学の学生が、実習と企業見学の成果や感想を発表しました。発表後に、大連理工大学の学生と教員に修了証書とピンバッジを授与しました。短い期間の交流ではありましたが、中国と日本の学生は別れを惜しみ、再会を約束していました。夕方に盛岡を後にして東京に移動しました。
6日目
東京では、科学技術交流施設として日本科学未来館と国立科学博物館を訪問しました。日本科学未来館では、宇宙、地球、生命、ロボットの展示などを見学し、日本の最新の科学技術を楽しんでいました。また、国立科学博物館では、日本館の日本列島と自然、地球館の地球環境と科学技術を真剣に見学していました。翌日のフライトが早朝のため、満員電車に揺られて成田空港近くのホテルにチェックインしました。
7日目
朝にホテルをチェックアウトし、成田空港から元気に帰国しました。
今回のさくらサイエンス交流プログラムを契機に、学生交流および研究交流がより活発になることを期待しています。