2017年度 活動レポート 第341号:大阪大学接合科学研究所

2017年度活動レポート(一般公募コース)第341号

材料科学研究人材層の育成と長期国際共同研究への挑戦

大阪大学接合科学研究所からの報告

2017年11月15日~12月5日の3週間に渡り、接合科学研究所として6度目となる、さくらサイエンスプログラムの支援による海外学生の受け入れを行いました。今回は国立台湾大学(台湾)から2名、モンクット王トンブリ工科大学(タイ)から2名、インド工科大学ハイデラバード校(インド)から4名、合計8名を招へいしました。

招へいは昨年度より開始されているさくらサイエンスの「複数年」交流のスキームを利用しての実施でした。本交流は向こう3年間の交流計画で実施され、昨年度に続き本年度は2回目の招へいとなりました。本交流では、毎年来訪する参加者の共同研究を通して、最終的に一つの大きな成果に到達することが期待されています。

3週間の滞在中、参加者はそれぞれ当研究所の田中研究室、近藤研究室、内藤研究室、伊藤研究室、西川研究室に配属され、粉末冶金、低温はんだ付け、アーク溶接に係る熱量のコントロールや可視化などの研究に従事しました。

活動初日と2日目にはオリエンテーション、当研究所施設見学、および受け入れを行う各研究室の研究紹介などを行いました。施設見学では、レーザを利用して金属とプラスチックを溶接する技術研究の様子、世界でも最大級を誇る、構造物の強度評価装置などを見学し、沢山の質問が飛び交い、熱心に聞き入る様子が見られました。

写真1
実験の説明を受ける参加者

活動3日目から最終までは、各研究室で各自活発な研究活動を行いました。より沢山の実験を行うべく、夜遅くまで研究に励む参加者の姿も見られました。一方、休日には大学から電車で約40分の距離にある京都観光を日本人学生と共に楽しむ参加者もあり、日本の伝統と文化にも触れるなど、各自充実した日々を過ごしました。

写真2
紅葉の京都にて

12月4日には当プログラムの最終報告会を開催し、各参加者は3週間の研究報告を行いました。

実施後に受け取った参加者からのコメントでは、「もっと長い期間滞在し、研究に取り組みたかった」、「日本におけるあらゆる面の規則正しさに驚き、非常に快適であった」、「町でも日本人が非常に親切であり、言語のコミュニケーションにおける難しさの一方で、安心して滞在できた」、「研究所の最新機材を自由に利用できる研究環境で、たくさんのインスピレーションを受け、自分の今後の研究生活に大変な刺激になった」など、多数のポジティブなコメントがありました。

今回、特にインドからの参加者は当初日本での食事について不安を見せる様子がありましたが、既に当研究所に留学中のインド人学生から食材を買える場所を聞いたり、インド料理が食べられる場所を聞くなどし、すぐに快適な生活を送れるようになったようです。また、インド人学生からは、「日本では言われたことがその通りに行われるし、その通り進む」、という日本人にとっては当たり前と思えることですが、そのことに大変な安心と快適さを感じて生活できた、という感想があり、なるほどなと思わされました。

複数年交流スキームを利用した活動により、連携先の海外大学も本活動に対する理解を深めていることから、本交流を通し、研究交流に更なる成果が出ることが期待されます。

写真3
修了証を受け取る参加者
写真4
全行程修了後の集合写真