2017年度 活動レポート 第331号:熊本大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第331号

臨床と基礎を繋ぐ循環型橋渡し薬学研究を推進する最先端技術の研修

熊本大学大学院生命科学研究部 入江徹美さんからの報告

2017年10月22日(日)から10月28日(土)の7日間、中国薬科大学の学部生(4名)、大学院生(4名)、教員(2名)を招へいし、熊本大学を拠点とする先端的施設や教育・研究に触れ、中国の薬学教育・研究を牽引する人材の育成に寄与する研修プログラムを実施しました。

23日

熊本大学薬学部・大学院薬学教育部長との面談・意見交換、各施設見学後、午後には、実施担当者から日本の薬学教育改革、特に臨床薬学教育の充実について、中国薬科大学の研修生・教員に紹介し、質疑応答が行われました。学生からの積極的な質問が多く寄せられ、日本と中国の医療体制の違いを反映した薬学教育の相違が明確化されました。

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学部長との面談およびオリエンテーション・討論

24日

午前中は、平田教授が本学薬学部育薬フロンティアセンターを紹介しました。平田教授により、薬局や病院での臨床実習前の4年次学生の実習内容の詳細な説明がありました。

午後からは、研修生・教員は、熊本大学薬学部と直結的連携を行っている熊本赤十字病院を見学しました。熊本赤十字病院では、陣上薬剤部長から薬剤師業務や臨床現場で使用されている高性能の設備・機器類に関する説明を受けました。さらに、薬剤部以外の部署での薬剤師の職能(大規模地震時の他の医療スタッフとの連携による救命救急医療や小児病棟での業務など)や他の医療関係者(医師、看護師など)との協働作業を見学しました。

その後、隣接する薬局(セントラルファーマー長嶺)での病院・薬局連携、地域医療における薬剤師の役割に関して説明を受け、意見交換を行いました。熊本市内における地域医療体制を体験した研修生・教員はいずれも、強い印象を受けたようでした。

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熊本赤十字病院およびセントラルファーマー長嶺における研修風景

25日

午前中は、地域医療の拠点である熊本大学医学部附属病院を見学・意見交換し、午後からは、遺伝子改変動物の世界3大研究拠点の1つである熊本大学生命資源研究・支援センターで、最先端の体外受精技術を体験しました。その後、熊本大学学生とともに、研修生は熊本城や水前寺公園を視察し、熊本の豊かな自然や歴史に触れる機会を得ました。

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熊本大学医学部附属病院および生命資源研究・支援センターの見学・体験

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学生食堂や市内観光での研修生と本学学生との交流

26日

上天草市に移動し、地域包括ケアに関する内容を研修しました。午前中は上天草市役所、午後は上天草市立上天草総合病院、カミシマ薬局、しまだ小児科を訪問しました。上天草地区での医療・行政に関して直接関係者から話を聞くことができたことは、中国でも将来到来する可能性のある少子・高齢社会に向けて、研修生・教員から高い関心が寄せられました。

27日

研修生・教員に関係のある生薬・漢方薬・天然物薬用資源に関して、薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンターを見学し、午後から本プログラム全体の振り返り、研修生による成果発表会・総合討論を行い、総括が行われました。

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しまだ小児科の訪問・小児医療に関する意見交換 薬用資源エコフロンティアセンターの見学

本プログラムの実施にあたり、ご協力いただきました熊本大学教職員、熊本地域の医療関係者の方々に心から感謝します。最後に、さくらサイエンスプログラムからのご支援に深謝いたします。