2017年度活動レポート(一般公募コース)第323号
中国・安徽省との絆を深めた科学技術交流プログラム
高知県国際交流協会からの報告
平成29年12月3日(日)から9日(土)にかけて、高知県の友好姉妹都市である中国・安徽省から大学生および大学院生16名と引率教員2名を招へいし、高知県内と大阪市で研修を実施しました。
高知県は、国内でも防災の先進地と言われており、将来起こりうる南海トラフ地震に備え、地震や津波から命を守る取り組みが各地で始まっています。そこで、今回の研修では「地震および津波災害と防災技術」をテーマとしました。
一行18名は高知大学や高知工科大学、(株)技研製作所、(株)高知丸高、(株)黒潮町缶詰製作所など大学や企業を訪問したほか、黒潮町防災学習プログラムの受講や県庁の防災作戦室見学、高知市の種崎公園津波避難タワー見学を行うなど地震や津波による災害や防災技術、防災製品、災害からの避難活動などについて学習しました。
今回の研修参加者が生活している中国の安徽省では、近年大きな地震は起こっていませんが、中国では過去に河北省や四川省などで大きな地震が発生しています。そのため地震についての知識はあったと思いますが、津波については初めて知る内容が多かったのではないかと思います。
それぞれの訪問先で説明を受けて、南海トラフ地震発生時に高い津波が襲うことが想定されている、高知県沿岸部における避難の方法や生き延びるための防災製品、津波に強い堤防を作るための防災技術などを学ぶことができました。
また、各大学では在校生や中国からの留学生とも交流し、日本の大学生活についても知ることができたと思います。
防災以外の内容では、県庁の表敬訪問、高知城や高知城歴史博物館、牧野植物園などの文化施設に加えて、ひろめ市場や桂浜などの観光地も訪問しました。
12月8日(金)には修了式・感想発表会を行い、参加者から多くの感謝の言葉をいただきました。「諦めずに防災に取り組む高知の人々を見習い、勉強に励むことで科学技術を発展させていきたい」、「高知の歴史を知るきっかけとなった。高知城などの文化体験も良かった」、「日本人の友達ができてうれしい」などの意見を聞き、この研修を実施して本当に良かったと思いました。
最終日となる12月9日(土)は、早朝から大阪市に移動し、大阪市立科学館を見学した後、関西国際空港に向かい、全員が無事に帰国しました。
この研修では、地震や津波の恐ろしさを学ぶとともに、それに負けずに乗り越えるために努力している高知県の人々の姿や、普段の高知の美しい海や山、美味しい食べ物、温かい人情などを感じてもらいたいとの思いがありました。今回の参加者が再び高知に帰ってきてくれる日が来ることを願っています。
最後に、研修を無事に終えることができたことにつきまして、研修に関わっていただいた多くの皆様に感謝いたします。