2017年度 活動レポート 第321号:中央大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第321号 (Aコース)

マレーシアにおけるパーム油産業の課題解決に向けた研究交流

中央大学理工学部からの報告

2018年1月21日~同1月28日にかけてマレーシア工科大学、化学プロセス工学科の3年生10名と講師1名を受け入れました。昨年10月、申請者の船造がKuala Lumpurでの国際会議に出席の際、先方の連絡担当者で実質的な責任者である辻教授を訪問し、さくらサイエンスプログラムについて打合せを行いました。

マレーシアはパーム椰子油関連の産業が盛んですが、そのパーム椰子残渣や廃液処理が問題であり、その中で水熱を利用した処理が有力な方法として、マレーシアの大学で盛んに研究されています。水熱反応について日本は長年の研究歴と実績があり、本プランで大学、公的な研究機関、民間企業とそれぞれ基礎からベンチプラントまで実際に研究施設を見学し、合わせて関連するテーマにおける学生実験を実際に行って、理解を深めることを目的としました。

1日目

前日深夜にKuala Lumpurを立ち、成田空港に6:30 amに到着し、バスでJAXAに立ち寄り見学しました。その後、宿泊ホテルに15:00頃に到着し、荷物を置いて、中央大学でオリエンテーションを行いました。当日、大雪のため移動に多少時間がかかりましたが、生まれて初めて雪を見る学生が多く、大雪を楽しんでいました。

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JAXA見学

2日目

初めに樫山理工学部長より歓迎の挨拶がありその後、午前中いっぱい船造が実験テーマ(吸着と高圧流体)の説明を行い、午後から学生実験室で実験を実施しました。全員2人か3人のグループに分かれ、実験を行いました。実験テーマは中央大学理工学部応用化学科3年生の実験テーマと全く同じです。

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吸着実験実施

3日目

終日実験を行い、グループごとに実験レポートを作成しました。

4日目

つくばの産業技術総合研究所の化学プロセス研究部門の、膜分離およびマイクロリアクターなど、3研究グループを訪問し実験装置の見学と研究テーマの説明を受けました。午後は印西市の竹中工務店の竹中技術研究所を訪問し、超臨界ガス化装置および水熱反応装置をはじめ、同研究所で行っている研究開発現場を視察、説明を受けました。

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産業技術総合研究所での実験施設見学
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竹中技術研究所にて超臨界反応装置の見学
 

5日目

午前中はお台場の日本科学未来館を見学し、午後は神楽坂の東京理科大学工学部工業化学科の2研究室を訪問し、大学院生から実験装置の説明やその内容について説明を受けました。

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日本科学未来館見学
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東京理科大学工学部工業化学科研究室見学
 

6日目

午前中に中央大学理工学部の2研究室を見学し、エネルギー関連及び膜分離についての実験装置の見学と研究テーマについての説明を受けました。午後は2日目と3日目に行った学生実験の結果について、グループごとに発表を行い、また、日本での体験や印象についても発表してもらいました。

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中央大学理工学部研究室見学

その後、加藤副学長の挨拶とさくらサイエンスプログラムの修了証書の授与を行いました。学生実験を指導したTAや見学会への付添、オリエンテーションやFarewellパーティの準備などを手伝ったスタッフや訪問学生全員で記念撮影を行い、Farewellパーティへと続きました。マレーシアの学生は実験データの整理やレポート作成を通して日本の学生やスタッフともかなり親密になり、和気あいあいと非常に楽しいパーティでした。

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実験結果発表
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フェアウェルパーティー

7日目

6:30にホテル前を出発し、成田空港に向かい、帰国の途につきました。

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加藤副学長と集合写真