2017年度活動レポート(一般公募コース)第320号
将来タイと日本の架け橋となる人材の芽を育てる
大阪大学大学院理学研究科からの報告
平成30年2月1日(木)~12月9日(金)、大阪大学大学院理学研究科では、タイ北部のチェンマイ大学から博士研究員1名、大学院生5名、大学生2名およびパヤオ大学から大学生2名、合計10名を迎え、研究交流プログラムを実施しました。
タイの北部地域では近年急速に教育経済レベルが高まっており、今後の人材育成や基幹産業となりうる化学工業の拡大に力を入れています。今回のプログラムでは、当該地域の若手研究者や学生を招へいし、関西圏の研究施設や企業を見学してもらうことで日本への関心を高め、将来タイと日本の架け橋となる人材の芽を育てることを企図しています。
来日した一行は、主催校である大阪大学でのオリエンテーション、学科紹介等の後、2日間にわたり、大阪大学の諸施設や各研究室を訪問し、将来の日本留学や共同研究実施を視野に入れた、研究に関する意見交換等を行いました。
さらに、合同研究発表会として、ミニシンポジウムを実施いたしました。タイの天然資源を活用した化学研究や、大阪大学が得意とする錯体化学研究などが発表されました。シンポジウム後の交流会にはホスト研究室の学生とタイの学生に加えて、大阪大学の教員・学生が多数飛び入り参加し、大変な盛会となりました。平時は英語が苦手で物静かな日本人学生が、タイの学生に触発され、ハキハキと英語で交流を深めている様子に、主宰者側もびっくりしました。
大阪大学以外にも、大阪市立大学、大阪府立大学を訪問し、それぞれの大学の特色を紹介いただきました。大阪市立大学では天尾豊センター長から、人工光合成研究センターの設備と研究成果について分かりやすく解説いただきました。大阪府立大学では松坂裕之教授にガイド役となっていただき、21世紀科学研究センターの幾つかの研究所と設備を紹介いただきました。
世界最高性能を誇る放射光研究設備であるSPring-8や、関西を拠点に東南アジアへ展開する化学メーカーであるエスケー化研株式会社への訪問も実施し、それぞれの施設見学を行いました。Spring-8では実際の研究の現場であるビームラインのハッチ内にも立ち入らせて現場の研究者と交流させていただきました。エスケー化研株式会社では、日系企業のタイ展開の様子が紹介され、タイ人学生の企業への受け入れについて意見交換がなされました。
見学や討論会の合間に、姫路城、大阪城、国立民族博物館などの関西圏の文化施設訪問も実施しました。忙しいスケジュールの息抜きにもなり、日本の文化に触れる機会にもなりました。
参加者へのアンケートでは、「将来、日本や大阪大学へ学生や研究者として再び来たい」といった意見が多数見られました。今回の機会を契機に、若手研究者レベルでの研究交流活動や、学生の短期/長期留学がより活発になることをお互いに期待しています。