2017年度 活動レポート 第318号:九州工業大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第318号

シンガポールとインドの若者が最先端の電子素子作製と評価技術を学ぶ

九州工業大学大学院情報工学研究院電子情報工学研究系 福間康裕さんからの報告

九州工業大学は、平成29年12月5日から12月14日までの10日間にわたり、さくらサイエンスプログラム科学技術研修コースにより、シンガポールのNanyang Technological University(研究者1名、大学院生1名)、インドのInter-University Accelerator Center(研究者1名、大学院生1名)の合計4名を招へいしました。

本学情報工学部は、Nanyang Technological University-National Institute of Education と部局間協定を締結し、学術研究および教育交流を実施しています。また、Inter-University Accelerator Centerは大型加速器を利用した国際共同研究機関であり、実施責任者の研究グループとの共同研究を実施しています。このために、研究環境・手法のみならず互いの文化を理解することを目的に、さくらサイエンスプログラムのプラグラムを実施しました。

写真1
九州工業大学での集合写真

本プログラムの特徴は、最先端のデバイス研究環境(文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業)を活用して電子素子作製から特性評価までの一貫した実習を行っている点です。アジア諸国において、経済発展と共に科学技術は進展しているものの、最先端の作製技術および評価技術を有する研究機関は極めて限られています。日本の恵まれた研究環境とものづくりを体験することで、海外から優秀な若手人材の流入が期待できます。

具体的な研修内容は、(1)参加者の研究内容紹介、(2)クリーンルーム内での微細加工実習、(3)強磁性共鳴およびスピンホール効果の計測実習、(4)最終報告会 です。受け入れ側日本人学生と招へい者が主体的な活動を通して互いの意思疎通を積極的に図るようにしました。全10日間の日程は下記のとおりです。

12月5日 午後: 福岡空港到着、飯塚キャンパスに移動。
12月6日 午前: オリエンテーション
午後: 参加者の自己および研究内容の紹介
12月7日 午前: 山口大学(山口県宇部市)へと移動
午後: クリーンルーム内にて微細加工の実習
12月8日 午前: クリーンルーム内にて微細加工の実習
午後: 共同研究の打ち合わせ
12月9日 自由行動
12月10日 自由行動
12月11日 午前: 強磁性共鳴の測定
午後: 実験結果の解析
12月12日 午前: スピンホール効果の測定
午後: 実験結果の解析
12月13日 午前: 最終報告会の準備
午後: さくらサイエンスに関する最終報告会
12月14日 午前: 福岡空港から帰国

学生同士は日常、教育研究、文化・慣習、観光など多岐にわたり幅広い交流を行いました。短い期間ではありますが、海外招へい者は先端実験機器を実際に取り扱い、試料作製から特性評価までの技術研究を行いました。今後の共同研究への積極的な議論も行うことができ、受け入れ・送り出し研究機関の双方に有益な活動を実施することができました。

写真1
懇親会
写真2
山口大学への移動

写真3
クリーンルーム内での微細加工実習
写真4
山口大学での集合写真

写真5
試料の作製
写真6
試料の観測

写真7
試料の特性評価
写真8
研修の発表会

写真9
伊藤伝右衛門邸見学