2017年度活動レポート(一般公募コース)第314号
医歯工連携研究を加速化する理工系若手・女性研究者の育成
九州工業大学大学院工学研究院 城﨑由紀さんからの報告
2018年2月1日〜10日間、マレーシア、マレーシアプトラ大学から学部生2名、教員1名、台湾、国立台湾科技大学から学部生1名、大学院生2名、教員1名、タイ、タンマサート大学から学部生3名、大学院生2名、教員1名の合計13名を招へいし、今後の共同研究を促進させるための活動を行いました。
本プログラムは女性教員・女子学生を中心として、今後の医歯工連携研究を強化するネットワーク作りを目指し、新規医療材料を生み出す発想の糧とするために、日本のもの作りに関する高い技術を学ぶことを目的としました。
本学の応用化学科および生命体工学研究科での研究室見学や教員からの講義を受け、様々な研究分野に関して議論を深めました。さらに応用化学科の無機材料化学研究室(清水陽一教授、高瀬聡子助教)、有機合成化学第一研究室(岡内辰夫准教授)、医用複合材料化学研究室(城﨑由紀准教授)にて普段の研究課題とは異なる実験を行い、新しい知識の習得に努めました。
ワークショップ(学習教育センター、玉村健志准教授)では、持続的な社会をテーマに各国での問題点を取り上げ、活発に意見交換を行いました。
福岡歯科大学への訪問では、国立研究開発法人物質・材料研究機構の菊池正紀グループリーダーと歯科医療工学講座の都留寛治教授から、医療材料開発に関する研究内容をご講義頂き、研究から製品化に至る経緯や歯科分野における材料知識の必要性を学びました。丸田道人講師と荒平高章助教からは実際に実験室で材料を手に取りながら、より詳細な研究内容を説明して頂きました。
福岡歯科大学での講義(NIMS:菊池正紀グループリーダー、歯科医療工学講座:都留寛治教授)
九州大学中央分析センターへの訪問では無機ナノ構造解析学研究室(稲田幹准教授)の分析装置を紹介してもらい、理工系女性研究者シンポジウムにも参加しました。女性研究者や女子学生と有意義で活発な意見交換を行い、日本人女子学生にも大変よい刺激となりました。
明治学園高等学校への訪問では、高校生から説明を受けて掃除を体験しました。日本の初等教育における衛生に対する取り組みを知ることで、公共施設の清潔さが維持されている理由が使用者の道徳倫理によるものであるということを理解しました。
また企業見学としてTOTOミュージアムを訪れ、衛生陶器を始めとする水回りの最新技術に関して学びました。
北九州観光コンベンション協会およびうめね呉服店のご協力により、着物とお抹茶を体験し、日本の礼儀・作法といった文化にも触れ見聞を深めました。
今回のプログラムを通して、学部生参加者は今後の研究課題の参考となる知見を得、大学院生は自分の研究課題を異なる面から考える機会となったようです。教員間でも教育および研究に関して話し合う時間が多く持て、今後の連携をさらに強化していく予定です。