2017年度活動レポート(一般公募コース)第313号
マレーシアの大学生が食品科学を学ぶ -持続的社会構築に向けて‐
日本マレーシア協会からの報告
日本マレーシア協会では、2017年11月12日から11月21日の日程で、マレーシア・サクワラ大学(UNIMAS) 資源科学技術学部の大学生10名、教員1名を招へいして、研修プログラムを実施しました。
当協会は、1990年代からマレーシア・サラワク州アペン地区において、州森林局、郡役所、国立マレーシア・サラワク大学(UNIMAS)の協力を得ながら、地域に居住する先住民とともに、在来種であるにフタバガキ科の植林による熱帯雨林再生活動を続けてきました。
当地区は、熱帯雨林の伐採跡地に自生した二次林を州が保護林指定をした地域ですが、アブラヤシ栽培のための違法な伐採が続いています。そのため、持続可能な地域社会づくりを目指し、地域住民が環境保全への理解と知識を持ち、行動の改善を図るための環境教育および啓発活動が求められています。
そのような視点で、取り組みの遅れている科学的根拠に基づいた食の生産、加工時の安全とリスク管理、および食のグローバル化にともなう環境への配慮などをテーマに研修を実施しました。
研修の目的は、主に下記5点を学び、日本の大学への留学を促すことです。
北海道大学、帯広畜産大学、宇都宮大学および東京大学が実施している食品科学および森林管理の教育・研究と留学環境、国が進めている食料行政、北海道立食品加工研究センターの研究、マルハ・ニチロ株式会社の食品生産工場などを見学し、学ぶことで、食の安全管理について理解を深めました。
研修の最後に大学生やマレーシアからの留学生、大学関係者、協会関係者の参加を得て研修報告会と終了式を開催しました。
研修後のアンケートに記載された受講生の感想は以下のとおりです。
・日本の進んだ文化と科学技術に大きな驚きを覚えました。この経験をマレーシアの発展に生かしたいと思います。
・今回受けた研修で研究に対する意欲が大いにわきました。マレーシアからの留学生が学ぶ姿を見て、私に大きな示唆を与え、日本への留学に興味を抱きました。
・日本の大学における科学技術研究は、自己満足ではなく如何に社会に貢献するかに重きが置かれていることを実感しました。この研修で、常に社会・環境・国・そして人類のことを思いながら学びたいと思うようになりました。
・科学技術未来館を見学し、子供たちに科学に対する興味を抱かせる取り組みに感動し、その重要性を実感しました。
・さくらサイエンスプログラムには、大きな意義を感じるのでいつまでも続いてほしい。