2017年度活動レポート(一般公募コース)第311号
高齢社会を支える医療・健康工学に関する日中交流
神戸大学先端融合研究環からの報告
神戸大学先端融合研究環では、さくらサイエンスプログラムの事業活動として、2017年11月1日から8日の日程で、中国湖北省科学技術庁をはじめ、武漢大学中南病院、中国湖北省中医院の若手研究者計10名を神戸へ招へいし、「高齢社会を支える医療・健康工学に関する国際交流」をテーマに、第一線で活躍する若者を中心とした科学技術体験・交流行事を開催しました。
今回の活動では、中国湖北省のリハビリテーション医学分野の若手研究者と本学健康工学分野の研究者とが交流し、日中両国における最新の人工知能などの工学技術による健康・リハビリテーション医学プラットフォーム構築の現状と課題を中心に、最先端の人工知能研究をどのように健康・医学分野に活用するか?高齢社会を支える日中両方の中長期的な国際協力関係をどのように構築するか?といった問題意識で率直な意見を交わしました。
初日の11月2日は、神戸大学における最新の健康工学研究、および神戸市が積極的に進めている神戸医療産業都市構想について紹介し、日中両国における高齢社会問題の現状、中国のリハビリテーション医学の最近の発展に関する研究発表と討論を行いました。
11月3日は、神戸市ポートアイランドで展開されている神戸医療産業都市推進事業の現地見学として、参画企業であるミナト医科学株式会社などの企業見学や日本側の企業技術者との交流活動を行い、日本における健康工学技術の産業化に触れました。これを受け午後の研究交流会は、日中両国間の社会福祉制度、病院の医療健康情報システム、そして両国における高齢者の各種障害と医療対応の相違についてのディスカションを繰り広げました。
11月4,5日は、神戸市にある川崎海洋博物館と神戸大学先端融合研究環統合研究拠点を見学し、近代日本における技術発展と社会変革との関わりについて、大学における専門性を高める研究活動と社会における総合的な応用ニーズとの関係について、そして国際における知的財産の利活用のあるべき姿について、お互いの意見を交流し合いました。
そして最終日に送別会を行い、先端融合研究環長蔵重教授より参加者全員へさくらサイエンスプログラムの修了証書を交付しました。
今回のプログラムでは、日中の若手研究者同士によるディスカッションや現地見学を通じて、日本における最新の人工知能技術による高齢社会の健康・医療への応用展開について、相互理解を一層促進するとともに、高齢社会の健康に関わる二国間の良好な協力関係の構築に貢献する、大変有意義な活動となりました。
今回の活動を実施するにあたり、協力していただいたミナト医科学株式会社様、本学の参画教職員一同、そして多大なご支援をいただきましたさくらサイエンスプログラムに厚く感謝申し上げます。