2017年度活動レポート(一般公募コース)第305号
フィリピン・タイ・日本 学術文化交流研修
-多文化共生世界を生きる若きエンジニアのために-
サレジオ工業高等専門学校からの報告
サレジオ工業高等専門学校では、「さくらサイエンスプログラム」のご支援のもと、Don Bosco Technical College (Mandaluyong, Philippines)よりフィリピン人学生8名、Thai-Nichi Institute of Technology (Bangkok, Thailand)よりタイ人学生2名を、2017年10月28日(土)から11月04日(土)までの8日間招へいし、充実した国際交流プログラムを実施しました。
フィリピン・タイ・日本の若きエンジニアたちが国籍・文化背景の垣根を越えて互いを刺激し合った濃密な8日間は、短期間ながら多文化共生社会を具現化した時間と言え、参加者にとっては今後をグローバルな視点で生きていく示唆を得られる機会になったのではと思われます。
本プログラムの特色5点を紹介いたします。
ア) サレジオ高専校内見学では、ハンズオン教育で学ぶコツコツ型の職人的作業の集積が<Made in Japan>という世界的なステータスに繋がっていることを感じ取ってもらえるよう、研究室・工房等各種施設の見学、担当者からの説明を通して、小さなものづくりの重要性を説きました。
イ) 小さなものづくりの集大成としての最先端技術を、日本科学未来館(東京都江東区)、三光機械株式会社本社工場(神奈川県相模原市)、宮ヶ瀬ダム水とエネルギー館(神奈川県愛甲郡愛川町)等の見学を通じて体感してもらい、日本の持つ高い技術力について知識を深めてもらいました。
ウ) 狂言・茶道・着付・剣道・書道等の伝統的日本文化を体験する機会を提供し、日本の技術革新の背景にある日本人の精神性に触れてもらい、「温故知新」の視点の必要性を認識してもらいました。
エ) サレジオ高専の校是である「技術は人なり」を交流の基本コンセプトとし、フィリピン人学生・タイ人学生・日本人学生が互いを理解し友情を深められるような人的交流の場・時間を可能な限り提供しました。
オ) 本研修の総括として、ミニシンポジウムを開催し、フィリピン人学生・タイ人学生によるプレゼンテーション、日本人参加者を含めたディスカッションを行い、相互理解の深化に努めました。
本プログラムは、相模原市との連携により、8日間という限られた時間を有効に活用し内容の充実を図ることができました。相模原市の関係者の皆様に謝意を表します。
また、「多文化共生世界を生きる若きエンジニア」のために企画した本交流活動を可能にし、成功に導いてくださった「さくらサイエンスプログラム」に衷心より感謝申し上げる次第です。