2017年度 活動レポート 第299号:佐賀大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第299号

世界的なエネルギー・環境問題の解決をめざして

佐賀大学からの報告

平成29年11月20日~11月25日に、佐賀大学海洋エネルギー研究センターは、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、第4回海洋エネルギーに関する国際プラットフォーム人材育成事業として、計17ヵ国から若手研究者28名を受け入れました。

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IOES伊万里サテライトにおける集合写真

本センターは、地球にやさしい自然エネルギーのひとつである海洋エネルギーの開発を通じ、世界的なエネルギー・環境問題の解決に寄与するために設置されました。本センターでは、海洋エネルギーの中でも特に、海洋温度差発電および波力発電を中心に、基礎的応用的研究に取り組んでいます。また、全国共同利用・共同研究拠点として、研究施設の提供および共同研究の推進とともに、海洋エネルギーに関する人材育成を進めています。これまで約10年間、日韓の4大学間において、研究セミナーなど若手研究者のための人材育成事業を行ってきました。

第4回の海洋エネルギーに関する国際プラットフォーム人材育成事業は、これまでの3回の事業を継続・発展させるもので、海洋エネルギーの研究を行う若手研究者の更なる研究能力向上と、研究者間の学術交流の推進を目的とし、若手研究者として「国内および海外の大学に在籍する修士および博士課程の学生、あるいは35歳以下の博士研究員および助教」の公募を行い選考し、アメリカ、イギリス、イラン、インド、インドネシア、エジプト、オランダ、韓国、タイ、中国、パラオ、フィリピン、フランス、ポルトガル、マレーシア、秋田大学、大阪大学、九州大学など計17ヵ国から28名*が参加しました。
(*JST注:さくらサイエンスプログラムによる招へいは、マレーシア2名、インドネシア2名、タイ2名、中国2名、パラオ2名のみです。)

プログラム1日目はIOES伊万里サテライトの実験設備の見学を行いました。永田センター長および池上副センター長の案内により、主に海洋温度差発電実験設備、海水淡水化実験設備、海洋深層水環境実験装置、波力発電実験装置、水素エネルギー試験設備、リチウム回収装置、潮流・海流発電試験装置を見学しました。

写真2
教育用海洋温度差発電模擬装置の説明
写真3 海洋温度差発電実験装置の前で集合写真
 

2、3日目は海洋エネルギー研究の第一人者による特別講義および参加した若手研究者の研究発表講演会を実施しました。研究発表講演会では、波力、潮力、温度差、洋上風車および海洋エネルギー利用技術の5つのセッションに分けて発表し、各発表に対する審査が行われ、計5名にベストプレゼンテーション賞が贈られました。グループ討論では、参加者を5つのグループに分け、「What is the barrier to promote Ocean Energy?」「What should we do to promote Ocean Energy?」という2つの課題に対して議論を行い、その結果を発表しました。

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海洋エネルギー研究第一人者による特別講義
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参加者によるプレゼンテーション
 
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グループ討論の様子
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グループ討論会における発表
 

4、5日目は海洋エネルギーに関連するものづくりを学習するため、伊万里サテライト近隣の地元造船企業および発電関連企業、長崎の造船企業を視察しました。最終日はショートプレゼンテーションとして本事業内容を振り返り、得られた知見を議論しました。本事業により、次世代を担う海洋エネルギーの若手研究者の人材育成とネットワーク形成に貢献しました。

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現地企業視察風景

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修了証を手に集合写真