2017年度 活動レポート 第295号:東海大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第295号

見えない空気を見る‐環境測定を通じた日韓科学技術交流

東海大学からの報告

2018年1月15日~1月20日の6日間、大韓民国ソウル大学校師範大学付属高等学校の生徒を東海大学湘南キャンパスに招へいし、環境測定を通じた科学技術交流を行いました。参加した高校生は、さくらサイエンスプログラムによる招へい者10名、自己資金による招へい者8名の計18名でした。

現在、東アジアには大気汚染などの共通の環境問題があります。そこで、生徒自身で窒素酸化物(NOx)や火山ガスの測定器を作成し、実際の環境測定を通じて科学技術への関心をより高めて頂きたいと考え、このプログラムを実践しました。以下、活動の様子をお伝えします。

自宅で捕集した空気中NOxの測定

生徒には訪日前に空気中NOx濃度を簡便に捕集できるパッシブ・サンプラーを配布し、各自自宅の室外・室内でNOxを捕集してもらいました。生徒が持参してきたサンプラーを大学実験室で解体し、捕集されていたNOxを化学分析し、自宅の空気汚染の状況を生徒自身で考察しました。空気汚染は通常目に見えませんが、化学分析によって数値化することで客観的に知ることができます。さらに汚染原因について思考を巡らすことができました。

写真1
NOx測定実験の様子
写真2
実習後に記念撮影
 

箱根で火山ガスのモニタリング

株式会社ガステックを訪問し、火山ガス測定用の検知管作りを行いました。生徒たちは自分たちで作成した検知管を神奈川県箱根町の大涌谷に持参し、火山ガスの濃度を実際に測定しました。火山活動の様子を見学するだけでなく、においの元になっているガスを数値化して知ることができ、空気の可視化技術の有効性を実感できました。

写真3
火山ガス測定用検知管の作成
写真4
大涌谷における火山ガスのモニタリング
 

総括

最終日、各自に関根教授より修了証が手渡されました。また生徒から日本側スタッフ・協力者に対してお礼の手紙が渡されました。

写真5
さくらサイエンスプログラムの修了証を手に記念撮影