2017年度 活動レポート 第286号:神奈川大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第286号

アジアにおけるロジスティクスの発展を目指して

神奈川大学からの報告

神奈川大学工学部の中島健一教授が実施責任者として申請したさくらサイエンスプログラムが採択され、中華人民共和国・北京交通大学から招へいした5名の教員と4名の大学院生が、2017年11月14日から11月23日まで横浜キャンパスにて研修を行いました。

本学経営工学科は日本で先駆して設立された伝統学科であり、生産物流における研究が数多く行われてきました。本研修ではまず始めに、本学科の実験設備を見学し、実際にデジタルセル生産システムによるものづくりやドライビングシミュレーターなどを体験してもらい、本学科の研究と教育について紹介しました。

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実験設備の見学

また、研修期間内にセミナーやシンポジウムを実施し、日本と中国における近年のロジスティクスに関する動向についての意見交換を行いました。

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研究会の様子

11月18日(土)に実施した「アジアにおけるロジスティクスワークショップ」では、国内の2名のゲストスピーカーより「持続可能なグローバルサプライチェーン」と「U字型生産ラインの解析」についてご講演いただきました。

11月22日(水)に行った国際ワークショップ「アジアにおけるSCMと価値創造」では、神奈川大学と北京交通大学から7件の発表が行われ、活発な意見交換が行われました。

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講演会後の集合写真

学内研修だけでなく、実施期間中にいくつかのロジスティクスに関連する企業の現場見学や施設見学を行いました。

横浜港湾では、港湾クルーズや横浜港シンボルタワー、横浜港国際流通センターを見学することで、横浜港の物流機能やコンテナ船による海上輸送のしくみや歴史を理解することができました。

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港湾見学の様子

日産自動車横浜工場では、MR型エンジンの組立ラインを見学しました。日産横浜工場は日産発祥の地であり、エンジン、モーターやサスペンション部品を生産しています。見学会では、最新のモノづくりの生産技術を見学するとともに、実際のエンジン組立ラインに採用されている装置(からくり)を体験することで、日本のものづくり管理技術を深く理解しました。

また、併設の横浜工場ゲストホールでは、量産車用のエンジンやレースで活躍した高性能エンジン、そして創業当時の貴重なエンジンなどの展示物を見学しました。

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日産横浜工場にて

さらに、お台場の日本科学未来館やパナソニックセンター、三菱みなとみらい技術館を訪れ、日本の優れた科学技術を学ぶことができました。

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パナソニックセンターにて

この10日間の技術交流および文化交流は研究教育上、有意義であっただけでなく、初めて日本を訪れた招へい者にとって日本をより身近に感じてもらうよい機会となりました。この研修がアジアにおけるロジスティクスの発展を目指す新たな研究に結びつくものと期待します。

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フェアウェルパーティーでの集合写真