2017年度活動レポート(一般公募コース)第274号
タイ環境問題の改善に貢献する人材を育成する
大阪府立大学現代システム科学域教授 興津健二さんからの報告
2017年11月7日から11月15日の計9日間の日程で、ベトナム国家大学で環境科学を学ぶ大学生7名、大学院生1名と教員2名の計10名を招へいし、「環境問題の改善に貢献する人材の育成」プログラムを実施しました。
1日目
朝7時過ぎに招へい者は関西空港に到着し、朝10時ごろには大学に到着しました。自己紹介とオリエンテーションを実施した後、植物工場研究センターにて最新栽培技術等の講義を受けました。
お昼は、日本人学生とベトナム人留学生がウェルカムランチパーティを主催してくれましたので、初日から親睦を深めることができました。午後は、環境コミュニケーション特論(大学院の授業)を日本人学生と一緒に受講しました。
2日目
黒田助教によるメタン発酵システムに関する講義を受け、実験室の見学をした後、理事長への表敬訪問を行いました。その後、水処理に関する講義と超音波を利用する化学実験のデモンストレーションを行いました。引き続いて、環境科学分野の研究室見学を行いました。ウェルカムパーティは大学生協で行い、さらに親睦を深めました。
3日目
環境活動を行う学生団体であるエコロ助に学内エコ活動について紹介してもらいました。招へい者は、府大内での弁当容器の回収・分別などに特に興味をもったので、お昼は府大内で販売されている弁当を食べて、その後の分別の仕方を学んでいました。午後は、文化交流として奈良公園と東大寺を訪問しました。
4日目
藤田准教授による生態資源利用に関する講義と遠藤准教授による水資源保全に関する講義を受けました。
5日目
海遊館と大阪市立科学館の施設見学を行いました。九州大学の大学院生であるLinhさん(2年前のさくらサイエンスプログラムでの本学での招へい者)も合流し、それぞれの施設見学を通して、日本人学生とも交流を図りました。
6日目
市街地での交通渋滞による大気汚染と環境モデル都市の施策に関して、京都での交通事情の様子と町並みなどの見学を通して学びました。また、金閣寺や嵐山を観光すると共に、レンタル着物を着用するなど、代表的な日本文化に触れる機会を得ました。
7日目
竹中教授によるバイオディーゼル燃料に関する講義を受けると共に、竹中教授が南極に調査に行かれた時の体験を紹介してもらいました。ランチでは、招へい者が大学内の調理室でベトナムから持参した食材等を利用してベトナム料理を調理し、日本人学生にふるまってくれました。翌日の8日目は学外でのプランの実施と過密なスケジュールであるため、修了証授与と研修の総括を7日目に実施しました。
8日目
株式会社日吉にて水処理や水質試験等の視察、琵琶湖博物館にて琵琶湖の水質改善の取り組みを学習しました。夜は送別会をしました。
9日目
ホテルを7時半に出発し、帰国の途につきました。大学関係者の皆さんの協力と、特に学生達の熱心な協力により、招へい者の皆さんは非常に有意義な日本での時間を過せたのではと思っています。
最後になりましたが、さくらサイエンスプログラムには多大なるご支援をいただきました。おかげさまで充実した両国・両大学にとってすばらしい有意義な交流プログラムを実施することができました。ここに感謝の意を示します。