2017年度 活動レポート 第266号:中部大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第266号

基礎から応用、開発から実用化までを複合的に学び未来に活躍できる技術者に

中部大学からの報告

中部大学では、「持続可能社会を実現するための環境、エネルギー、情報技術応用、生物応用等の先進的科学技術およびものづくり技術の交流発展」をテーマに、中国・同済大学浙江学院、嘉興学院、紹興文理学院から学部学生23人(支援対象者10人)、引率教員3人(支援対象者1人)を招へいし、2017年10月3日~10月11日の日程で8日間の研修を行いました。

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到着時の記念撮影

初日のオリエンテーションでは、研修の流れを確認し、最終日に研修成果を発表するという課題を確認しました。

2日目からは工学部・工学研究科を中心に教育・研究について学びました。各学科・専攻別のセミナーで概要を学び、実験・実習室で体験し、研究室を訪れ研究現場を目の当たりにしました。このスタイルの学びは応用生物学部を含めた11学科で行い、全プログラムの半分の時間を費やすほど盛りだくさんの内容になりました。

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材料構造実験施設(中部大学)
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超伝導・持続可能エネルギー研究センター(中部大学)

研修先は学外にもおよび、中部電力総合技術研究所、東邦ガス(株)、住友理工(株)の3社を訪問しました。

中部電力総合技術研究所では、太陽光発電システム、湿度管理、床暖房の効率化実験、空調機器、ヒートポンプなどの開発現場を見学しました。

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浮上風力発電の実験施設(中部電力総合技術研究所)

また、東邦ガス(株)では、日常生活の中で健康管理や電力制御ができるスマートエネルギーハウスを見学しました。

そして、住友理工(株)では、ゴムを中心とする高分子材料技術を応用して免震装置や体圧を感知し床ずれを防止する介護ベッドなどを見学しました。いずれの企業でも成長の裏には、専門性を生かしながらさらに次のニーズを模索し、新製品につなげる努力を続けていることを学びました。

日曜日には、名古屋市のトヨタ産業技術記念館を訪れ、トヨタの歴史を学びました。自動車のイメージが強いトヨタですが、その創立は織機からであったことは印象深かったようです。その後は国際関係学部の学生や留学生らとともに名古屋市内視察を行い、日本の歴史や文化にも触れた1日となりました。

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トヨタ産業技術記念館で

このプログラムでは、在学生との交流も重視し、工学部・工学研究科の学生たちによるポスターセッションを実施しました。参加者自身が関心のあるコーナーで中部大生から説明を受け、質疑応答が繰り広げられました。

最終日には、研修で学んできた成果を発表しました。研修当初に決められたグループでパワーポイントなどのプレゼンテーションソフトを駆使して、不慣れな日本語を使ったりしながらスライドを作成しました。

成果発表会では、全員が発言の機会を持つようにしたこともあり、全員から研修の感想を聞くことができました。研修で行ったセミナーの一つ一つ、見学で訪れた学外の工場や施設の一つ一つについて、各参加者がそれぞれ何かを学んでいることが伺える発表でした。

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ポスターセッションでは日本語・中国語・英語が飛び交っていました
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成果発表会では日本語での発表も

短期間の研修でしたが、日本のものづくりの中心地「愛知」で、日本の技術を支える工学の基礎から応用まで、また、研究開発から実用化までを歴史的な背景をも含めて多方面から複合的に学ぶことができた実りの多い研修でした。

参加した23人の学生の中から過去の先輩たちのように再来日を果たし、日本で学び将来、グローバルに貢献できるエンジニアが育つことを祈っています。