2017年度 活動レポート 第261号:東京都市大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第261号

タイの大学生が情報科学演習を通じた研究の作法を学ぶ

東京都市大学からの報告

タイ・モンクット王工科大学トンブリー(KMUTT)の学部生10名が東京都市大学生世田谷キャンパスで「情報科学科の正規教育プログラム「情報科学演習」を通じた-研究の作法-の修得」をテーマに課題解決型学習に取り組みました。

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初めての登校
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オリエンテーション

KMUTTとは4年連続のさくらサイエンスプログラムによる交流であり、本年は、「科学技術体験コース」で、平成28年12月10日〜12月18日の9日間を本学の知識工学部の情報科学科の研究室で、主に課題解決に取り組んでもらいました。

これまでの3年間もKMUTTの工学部の広い専門分野の学部生10名を招へいし、工学部と知識工学部の6~8研究室の協力のもとでさくらサイエンスプログラムを実施してきました。しかしながら、専門分野が多様になりすぎていて、最終日に開催する成果発表会等での討論が必ずしも十分に行われていませんでした。そこで、本年度は知識工学部・情報科学科のみがホストになって実施しました。

情報科学科では、学部3年後期から学生を研究室に配属させます。その研究室配属に先立ち、3年前期に「情報科学科演習」という実習形式の科目を設けて「研究の作法」を身に着けさせています。その「情報科学演習」を招へい学生に体験してもらうプログラムとしました。

「情報科学演習」の1コースには2名のTA(大学院生)が指導補助にあたっていて、その2名の大学院生がこのプログラムにおいては招へい学生の指導補助にあたることになります。各コースは学生の自主性を重んじた演習(実習)となっていて、「課題解決能力」の育成にも役立てています。

たとえば、小型ロボットを使ったコース(「ロボット演習」)ではロボットとそのマニュアル、PC(制御プログラム作成用)のみが与えられて、出された課題に対して、学生はマニュアルを見ながらPCでプログラムを作成し、そのプログラムをロボットにインストールし課題解決を行っていきます。研究形態は「卒業研究」と同じであり、一連の研究の進め方、いわゆる、「研究の作法」が修得されることになります。

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研究室での取り組み

実習最終日には、口頭発表で研究成果を披露してもらいました。成果発表会には本学の国際センターと情報科学科の教員が参加し、十分な質疑応答がなされました。期間が短かったのですが、全員の学生が真摯に課題に向き合ったことが理解できる成果発表会となりました。成果発表会終了後、三木学長が参加して修了式が行われました。招へい学生一人一人に三木学長より修了証が授与されました。

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成果発表会
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修了式

KMUTTとは大学間協定(MOU)を締結していて、このさくらサイエンスプログラムは両校の重要な交流行事となっています。このような交流を通じ、両校の絆を強くすることで、次の段階の交流へと繋がります。KMUTT主催のシンポジウムへの本学学生参加の招待がなされたり、さらには、大学院の共同教育プログラムの構築を目指しています。さくらサイエンスプログラムが国際交流に果たす貢献度の高さは言うまでもありません。

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日本科学未来館