2017年度 活動レポート 第257号:九州工業大学大学院

2017年度活動レポート(一般公募コース)第257号

網羅的細菌群集構造解析のための次世代シーケンサー技術研修

九州工業大学大学院生命体工学研究科 前田憲成さんからの報告

2017年10月15日~24日の10日間、インドネシアのスワダヤグヌンジャティ大学から教員1名、マレーシアのスルタンザイナルアビディン大学から教員1名、ベトナム科学技術アカデミー環境技術研究所から研究員1名、中国の中国科学院都市環境研究所から大学院生1名、台湾の国立台湾大学から大学院生1名、国立台湾科技大学から大学院生2名、マレーシアのマレーシアプトラ大学から大学院生1名、マレーシア国立大学から大学院生1名、合計9名を招へいし、技術研修プログラムを実施しました。

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交流送別会終了後に撮影した集合写真

本プログラムは、九州工業大学大学院生命体工学研究科内に設置されている、次世代シーケンサーという最先端機器に関する技術研修を行い、日本の持つ優れた最先端技術を伝授し、学術研究の交流を推進していく機会を作ることを目的に活動を行いました。この交流を通して、最先端機器の活用とそのノウハウをまだ知らない、アジアの発展途上国および新興国における科学技術の発展を加速化させ、アジアにおける環境問題等の課題解決を推進することを企図しています。

写真2
研究室を見学している様子
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前田憲成准教授が本活動・プログラムの趣旨を説明している様子
 
写真4
Nurul Asyifah博士が次世代シーケンサーについて説明している様子

次世代シーケンサーによる大量塩基配列解読のためには、環境のサンプルからDNAを抽出する作業、そのDNAの品質をチェックする作業、抽出したDNAを鋳型としてPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)により目的断片を増幅する作業、増幅した目的断片にインデックス(目印)を付加する作業、その付加した生成物をきれいに精製する作業、濃度を調整する作業など、複雑かつ細かいプロセスを一つ一つ踏んでいく必要があります。

招へい者9名は、前田研究室の博士研究員であるNurul Asyifah Mustapha博士の指導のもと、これらの作業を確実に行い、技術の見識を深めました。

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招へい者らによって次世代シーケンサーの
各作業を行っている様子
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招へい者らによって研修に関する成果発表を行っている様子
 

下記は、本プログラムに参加した招へい者のコメントの一部です。

★インドネシア、Ariestyaさん

“I am very pleased to have a chance as one of the participants of Sakura Science exchange program. I got to know and to learn much from Japan: its culture, technology, people, system, and many other positive things to apply in my own institution. Especially in this period, I had a great opportunity to learn new technology used in Kyushu Institute of Technology (Miseq) which is important to the development of research and collaboration opportunity in the near future. Thank you.”

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さくらサイエンスプログラム修了書を受理して喜ぶAriestyaさん

★マレーシア、Fatinさん

“I had a wonderful experience at this Sakura Science Program and I'm very thankful that i had this opportunity. It was a fantastic opportunity to meet other incoming exchange students in other countries like Taiwan, Indonesia, China and Vietnam. I found the Sensei and lab tours great, and that the program was incredibly immersive that allowing us to learn about the Miseq for future. ”

★台湾、Guanさん

“In sakura plan, I experience Japanese culture and research institutes. I think living, eating and service are high standards in Japan. The research in Japan are rigorous, make a perfect environment for working experiment. Therefore, I learn much experience from Japan. Finally, Japan is a great country, Japanese are a wondeful ethnic. ”

全てのコメントを掲載できませんが、いずれもこの研修が有意義であったことが伺えました。今後、次世代シーケンサー技術を活用した共同研究等が推進していくことを切に願っています。

写真8
修了書を受理した招へい者。研究科長と共に
(招へい者は台湾からの陳さん)

最後に、本プログラム実施の機会を与えた頂いたさくらサイエンスプログラム、快く対応していただいた見学先の方々、そして本プログラムの実施を支えて頂いた本学のスタッフの皆さんに深く感謝申し上げます。

写真9
 
写真10
 

交流送別会を楽しむ招へい者と日本人学生