2017年度活動レポート(一般公募コース)第232号
中国の環境技術等を専攻する若者に日本の水処理・浄水技術を伝える
東京青年会議所からの報告
平成29年9月19日から25日までの7日間、さくらサイエンスプログラムのご支援のもと、中国の大学生、大学院生ら13名を東京に招へいし、科学技術交流を行いました。
私たちの団体は、これまで40年以上にわたり中華全国青年聯合会と民間交流を継続しています。この交流の中で、中国では、産業の発展に伴って土壌汚染、水資源の不足、地下水の汚染、水位の下落、水道水の管路技術等の環境問題が深刻化し、国民の健康や国の経済発展の障害となっていることが問題提起され、私たちは、中国の環境技術等を専攻する学生・研究者らに日本の水処理・浄水技術を伝えること、この機会に日本の文化にも触れて貰うこと、これらにより日本への関心を高め留学等による再来日を促すことを目的として本プログラムを実行しました。
羽田空港でお出迎え
訪日団と初対面。プログラムが開始しました。
水処理・浄水施設の見学
プログラム期間中、日本の水処理・浄水技術を学んでもらうため、東京都水道歴史館、下水道局水処理センター、水道局上水施設を訪問しました。
各所の協力を得て、まず施設の概要と技術についての説明を受けた後、実際に施設を見学しながら解説を受けました。水道局は、漏水検知体験を企画してくださり、学生たちの楽しそうな様子が印象的でした。
民間企業の見学
ミネラルウォーターメーカー(株式会社ナック)と家庭用浄水器メーカー(三菱ケミカル・クリンスイ株式会社)を訪問しました。三菱ケミカル・クリンスイでは、本社においてろ過技術(中空糸膜フィルター)等の説明を受けた後、愛知県の幸田工場に移動して施設見学をしました。
<中央大学での講義及びセッション>
「25年後の社会・インフラ・新技術」をテーマとする講義を受け、学生同士のセッション・交流を行いました。
訪日メンバーの多数が、もっとも印象に残ったプログラムに、この中央大学訪問をあげていました。日本の大学生との交流は、訪日メンバーが留学等について具体的なイメージを持つことに繋がったようです。
水源の視察
日本の美しい水資源を見てもらうため、世界遺産富士山の構成資産の一部として認定された富士山の伏流水に水源を発する湧水池「忍野八海」を訪れました。
和体験
日本を初めて訪れる皆さんに日本の文化に触れて貰うため、お茶室体験、神輿体験の機会を設けました。
7日間のプログラムを終え、訪日メンバーからは、視察先についておおむね勉強になり満足しているという感想のほか、中国に戻り家族や友人に今回体験したことを伝えたい、家族を連れて再来日したい、日本に留学したいなどの言葉を数多く聞くことができました。日本の水処理・浄水技術の概要と日本の文化を伝えることができたと思います。私たち受け入れ機関にとっても、本プログラムは素晴らしい民間交流の機会となりました。
貴重な機会をいただいたこと、またプログラム前後を通じきめ細やかなフォローをいただいたことに対し、さくらサイエンスプログラムに心から感謝を申し上げます。