2017年度活動レポート(一般公募コース)第222号
中国・清華大学の学生が日本の最先端エネルギー技術を実体験
産業技術総合研究所エネルギー・環境領域
省エネルギー研究部門からの報告
2017年12月5 日~14日に、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、清華大学・自動車工学専攻の教員1名、学生7名、計8名を招へいしました。
10日間のプログラムにおいて、一行は、産業技術総合研究所(産総研)つくば東事業所にて省エネルギー研究部門の宗像部門長より、産総研および同研究部門の概要説明を受けた後、産総研の代表的研究成果を展示・紹介している「サイエンス・スクエアつくば」を見学し、様々な分野の最新の研究成果に触れる機会を得ました。多くの学生はロボット研究などに大きな関心を持った様子でした。
産総研サイエンス・スクエアつくばにて
また一行は東京大学大学院新領域創成科学研究科低炭素工学システム(LCS)講座との合同研究室会に臨み、各自が現在行っている研究内容やその成果をお互いに発表しあい、活発な質疑応答が交されました。
また、産総研省エネルギー研究部門の研究者から直接最新の研究成果の説明を受ける機会を得ました。具体的にはエンジン燃焼排気制御、氷スラリー、流体制御、水素システム、レーザー着火、リチウムイオン電池を行っている実験室を見学させていただき、丁寧な説明を受けると共に、実際の実験設備を間近に見ることができました。一行は熱心に説明に聞き入り、積極的に質問するなど、真摯な態度で見学に臨んでいました。
産総研省エネルギー研究部門の実験室見学
また、産総研において、担当研究者と共に燃料電池のセル部材作成に関する実習を行いました。長時間の実習にも関わらず、学生は熱心に実習に取り組んでいました。
最終日には、学生一人一人から今回の訪日プログラムの感想や印象に残ったことなどを発表してもらいました。街中の様子では、中国に比べて空気がきれいなこと、交通マナーが良いこと、ごみ箱が少ないことなどが印象に残ったようでした。研究については、産総研の多くの研究者が自分で組み立てた装置を用いて実験を行っていることが彼らにとっては驚きだったようです。
最後に参加者一人一人に修了証と記念のバッジが宗像部門長から手渡され、すべてのプログラムを終了しました。
今回のプログラムでは、関係者各位の協力を得て、日本の優れた研究の取り組みや技術を紹介することができた他、国際シンポジウムや合同研究室会の機会を利用して、日中間の学生の交流を促進することができました。加えて当研究所の実験設備を利用した実習を通して、学生は幅広い経験を積むことができたと思います。全体を通して、天候にも恵まれ本プログラムの目的を十分達成することが出来たと考えています。