2017年度活動レポート(一般公募コース)第219号
学生のグローバル化を促した、課題解決のための日中協働作業
東京都市大学からの報告
11月19日〜11月28日の10日間、大連交通大学から学部生15名が「科学技術研修コース」で東京都市大学工学部・知識工学部の学部生、大学院生と共に自らの課題解決のための実験・実習に取り組みました。
昨年までは3年間連続で、大連交通大学の外国語学院で語学(日本語)と専門(ソフトウェア)の2つの学士を5年間で取得する課程に在学している学生と本学・知識工学部情報科学科の間で、「科学技術体験コース」を実施し、多くの成果を残してきました。
大連交通大学とは「さくらサイエンスプログラム」により本格的な交流がスタートし、今では、1年間の長期留学生5名を毎年受け入れるまでに交流が成長してきました。前述のごとく、これまでは、大連交通大学・外国語学院と本学・知識工学部情報科学科の間での交流に限定されていた感があり、交流の輪を広げる必要性に直面していました。
本年からは外国語学院に加え、機械工程学院と交通運輸工程学院からも学生を招へいすることとしました。それに基づく、本学の受入れ体制も知識工学部・情報科学科の研究室に加え、工学部・機械工学科と工学部・機械システム工学科の研究室の支援を得ることとしました。
外国語学院、機械工程学院、交通運輸工程学院からそれぞれ5名、計15名の学生を招へいしました。
本学側は知識工学部・情報科学科の2研究室(知識情報処理、計算機ソフトウェア)、工学部・機械工学科の3研究室(表面加工、内燃機関工学、材料力学)、工学部・機械システム工学科の5研究室(高機能機械制御、宇宙システム、強度設計システム、熱流体システム、計測電機制御)、計10研究室が招聘学生の受入れ研究室となりました。学生の研究室の配属は学生の希望が尊重されました。
それぞれの研究室は本学の新しく配属される学部学生のためのPBLプログラム、もしくは学部の学生実験におけるPBLプログラムを持っていて、そのPBLプログラムを研究室の大学院生や学部生の支援を受けて実施してもらいました。
外国語学院の学生5名は日本語を使えますが、その他の学生10名は、本学の学生間と英語でコミュニケーションを図ることになります。すなわち、この「さくらサイエンスプログラム」は日本の学生にとっても「日本に居ながらして海外研修を疑似体験する」ことになるのです。
また、大連交通大学の学生にとってみると、学部生、大学院生、教員が強いつながり持ちながら研究を行う「日本型研究室」の雰囲気を満喫することが可能となっています。両校学生のグローバル化を促進するプログラムとなりました。
昨年までと異なり、規模が拡大し、本学側の体制も強化されたプログラムを実施することができ、大きな成果を得たと考えます。
招聘学生を学生の希望に応じて研究室に配属する方法は、本学の「さくらサイエンスプログラム」において定着してきましたが、もう少し招へい学生と本学学生の大きなグループでPBLを行うことも考える必要がありそうです。
特に、今年からの大連交通大学との「さくらサイエンスプログラム」の特徴は、異なる専門の学生が一緒に参加することであり、そのことを活かしたプログラムを用意する必要性を感じました。例えば、分野の異なった学生が協働で作業して初めて解決する課題を模索し、専門を超えたグループにより課題解決を行うような、そんなプログラムに来年度以降チャレンジしてみたいと強く感じました。