2017年度 活動レポート 第211号:日・タイ経済協力協会

2017年度活動レポート(一般公募コース)第211号

タイの大学生が、日本のアニメ産業と最先端デジタル技術を学ぶ

日・タイ経済協力協会からの報告

去る12月4日~8日の5日間、一般社団法人日・タイ経済協力協会(JTECS)主催の下実施された「日本のアニメ産業」研修。将来、日本のアニメ産業に関連した会社に就職を希望するタイの大学生を対象としたプログラムで、泰日工業大学(TNI)の大学生10名と引率教員1名が参加しました。

初日

学生たちは皆、旅の疲れからか、なかなか講義会場に現れませんでした。が、25分遅れたものの、開始時間までには全員揃い、スタッフ全員ほっとしました。そして一旦講義が始まると、皆、興味深そうに真剣な眼差しで聴いていました。

午前中は、㈱ビデオマーケット監査役・増田弘道先生による「日本のアニメ産業概要」についての講義。日本のアニメの歴史からビジネスとしての確立に至るまで、海外の事例と比較しながらご教示いただきました。午後は、日本工学院専門学校を訪問。将来アニメ産業に携わることを希望している学生たちの授業風景を見学しました。専門学校生達の作品を見て、そのレベルの高さに圧倒された様子でした。

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増田弘道先生による講義
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日本工学院蒲田校にて学生の授業風景を見学
 

2日目

午前中は、東京工科大学メディア学部教授・三上浩司先生より「日本のアニメ制作工程」について、作業工程の映像も交えながら講義いただきました。午後は、アニメ製作会社である株式会社OLMを見学しました。

写真3
三上浩司先生による講義
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アニメ制作会社㈱OLM見学後の記念撮影
 

3日目

午前中は、㈱キャラクター・データバンクの代表取締役・陸川和男先生による「日本のアニメキャラクタービジネス」についての講義。ビジネス実務についてご教示いただきました。午後は、三鷹の森ジブリ美術館を見学しました。

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陸川先生講義後、プレゼントを贈呈し、先生を囲んでの記念撮影
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午後はジブリ美術館を見学

4日目

午前中は、㈱アサツーディ・ケイ コンテンツ戦略室長・伊藤直史先生より「日本のアニメの海外展開」についての講義。国内のアニメビジネス事情から海外展開に至るまで、豊富な動画を用いてご教示いただきました。

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講義後、伊藤直史先生、樫事務局長とともに記念撮影

午後は、TNIのOBが勤務しているコンピュータ関連会社の(株)トリプルワンを訪問。OBと直接面談させていただく機会が設けられ、熱心な質疑応答を通して日本企業での就職へのモチベーションを高めることが出来ました。

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㈱トリプルワンへTNIのOB(後列右から3番目と4番目)訪問

最終日

午前中は、日本未来科学館を見学し、日本の最先端のデジタル技術などを体感。アニメ、鉄腕アトムの世界が実現していく未来を思い描き、興味が尽きない様子でした。その後、巨大なガンダムの像の前を通り、午後は、フジテレビを見学。特別に制作現場をめぐるガイドツアーに参加させていただき、24時間、大量に受け入れられる映像と送り出される映像、その中で、サザエさんなどのアニメ番組が特に視聴者に愛されている様子に触れ、テレビ局の裏側を見るとともに、アニメが無くてはならないものになっていることを確信することが出来ました。

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日本科学未来館の地球儀を背に記念撮影

後日、タイに帰国した11名の研修団から、JTECSと講師陣あてにイラスト入りのメッセージが送られてきました。講師陣からは、「イラスト入りのメッセージ、かわいいですね」「結構日本語の勉強してますね。彼らとまた会いたいですね」などの感想をいただきました。

日本にいる私達でさえ、包括的にアニメ産業を学習する機会はなかなか得られません。今回の研修で、日本のアニメ産業界を牽引している人物・学校・企業から研修団に直接ご指導いただけたことは大変貴重な経験となったことでしょう。日本のアニメ産業への就職を単なる夢と終わらせるのではなく、現実味のある選択肢として考えるきっかけにもなった様子です。実際に、ほとんどの学生たちが研修内容に大変満足しており「日本に必ずまた来たい」「日本で就職したい」と、日本での就職を強く希望しておりました。

これを機に、日本への興味関心がさらに高まり、彼らが夢を実現出来ることを期待したいです。

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フジテレビ見学。研修修了し「やり遂げたぞ!」とガッツポーズ