2017年度活動レポート(一般公募コース)第207号
プラズマ相互作用とトリチウム回収技術を学ぶ日中研究交流
静岡大学からの報告
さくらサイエンスプログラムの支援を受け、中国西南物理研究院および四川大学から教員、学生計10名を招へいし、2017年12月5日から13日まで「核融合炉開発のためのプラズマ相互作用とトリチウム回収技術」をテーマに研修および研究交流を行いました。
本研修では「大型プラズマ装置によるプラズマ実験について理解を深めると共に、これまで静岡大学で開発したトリチウム回収分析装置や分析結果の学術的理解を深める」ことを目的に行いました。
静岡大学の研修ではプラズマ実験、材料評価法(電子スピン共鳴法、X線光電子分光法、昇温脱離法)に関する講義および実習、実際に参加学生が持参した試料を用いた測定を行いました。どの講義・実習も参加学生が真剣に聞き入り、質問も多く、新しい知見を体得しようとの意気込みが感じられました。
講義ごとにLecture Reportを作成してもらい、受講生の理解度や疑問点を把握しフォローアップしました。週末には静岡市歴史学習ツアーを行い、濃厚な静岡茶アイスクリームを堪能し、静岡の主産業のひとつである静岡茶の理解を深めるとともに、徳川家康公について学習し、駿府城公園、静岡浅間神社を見学し、江戸時代の日本の歴史の一端を学習しました。
また、中国で人気のあるちびまる子ちゃんの舞台である清水を訪問し、世界遺産になった富士山を清水港から鑑賞しました。
九州大学訪問では静岡大学が共同研究を行っている、球状トカマク装置(クエスト)を見学し、フルメタルプラズマ対向壁定常プラズマ研究の現状について学習すると共に、リチウムセラミックスからのトリチウム回収挙動に関する研究の現状や核融合とプラズマに関する講義を受講しました。
講義後には太宰府天満宮まで足を運び、学問の神様に今後の勉学の更なる発展を祈願しました。また、九州国立博物館では日本とアジア、ヨーロッパとの文化交流の歴史について学習を深め、日本と中国との交流についても理解を深めました。
非常に短い研究期間に多くのプログラムを詰め込み、とても慌ただしい日程でしたが、受講生のみなさんがとても満足していただけたのが実施教員にとってもこの上ない喜びでした。みなさんの再来日を実施教員一同心からお待ちしています!