2017年度 活動レポート 第206号:東京理科大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第206号

中国科学院の学生と光触媒について共同で研究活動を実施

東京理科大学からの報告

2017年11月15日~12月5日までの21日間、さくらサイエンスプログラムの支援により、中国の中国科学院から教員2名、大学院学生2名が野田キャンパスの光触媒国際研究センターに滞在して共同研究を行いました。

本招へいプログラムは、共同研究活動コースということで、日本発の誇れる科学技術の1つである光触媒について共同で研究活動を行うことにより、光触媒の基礎的な知識から応用範囲を理解してもらうとともに、日本の最先端の科学技術や文化に触れることで、その素晴らしさを実感してもらうことを目的としております。

来校初日には、光触媒国際研究センターの見学と実験に関する注意事項の確認後、具体的な実験装置の使い方についてレクチャーし、実験の方針について議論を行いました。翌々日のお昼には藤嶋昭先生をはじめとするセンター関係者の他、同時期にさくらサイエンスプログラムで来日していた中国の東北師範大学のグループとともに交流を深めるべく昼食会を行いました。

写真1
さくらサイエンスプログラムで来日した中国の中国科学院と東北師範大学の合同昼食会

翌日からは、学生それぞれが光触媒を用いた研究をスタートさせ、センターの学生と協力し、終電近くまで実験をするなど積極的に研究活動に取り組みました。

研究内容は、酸化チタン光触媒を用いたNOxガス分解除去を評価しました。光触媒は中国で作製した酸化チタンを用いて、装置は本学の光触媒国際研究センターが所有するJIS規格対応のNOx分解評価装置を用いて行いました。

写真2
NOx分解評価装置を使って実験(光触媒国際研究センター)

学生は中国科学院の研究室で普段使用しない実験装置を操作し、新しい経験に緊張しつつも楽しんでいる様子でした。NOx分解活性の評価では、酸化チタンに炭酸カルシウムを添加した材料が優れた性能を示すことが分かり、今後の共同研究への足掛かりを掴めたと思います。

週末の土曜日は、お台場の日本科学未来館、浅草の東京スカイツリー見学に出かけ、日本の科学技術や文化について学ぶ機会を得ることができました。また、学生が主体となって歓迎会を開催し、日中の学生間で交流を深めることができました。

写真3
日本科学未来館を見学
写真4
学生主催の歓迎会

プログラムの後半には国際シンポジウム(Photocatalysis2 & SIEMME’23)に参加し、只金芳先生による招待講演、学生らによるポスター発表を行いました。ポスター発表では、高冠岳さんがYoung Poster Awardを受賞しました。今回の交流プログラムの実施を通して、新しい研究に対して短期間での吸収力、学会での受賞など中国の優秀な学生との交流を持てたことは、大きな刺激となりました。このような交流のきっかけを作って頂いた、さくらサイエンスプログラムに深く感謝いたします。

写真5
国際シンポジウム(Photocatalysis2 & SIEMME’23)にて
集合写真(左から、高冠岳さん、孙东峰先生、只金芳先生、勝又、付杨さん)
写真6
国際シンポジウム(Photocatalysis2 & SIEMME’23)にて
只金芳先生による招待講演

写真7
国際シンポジウム(Photocatalysis2 & SIEMME’23)にて
高冠岳さんがYoung Poster Awardを受賞