2017年度 活動レポート 第204号:東京都市大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第204号

実習を通じて医療機器の動作原理について学ぶ、日韓学生交流

東京都市大学からの報告

2017年11月16日(木)から11月25日(土)の間、韓国グミ市にあるクモウ国立工科大学(KIT)より8名の学部学生、2名の大学院生と1名の引率教員を迎え、さくらサイエンスプログラムに基づくプログラムを、東京都市大学(TCU)工学部医用工学科を受け入れ先として実施しました。

実施内容は医用工学科3年生の必修科目である、「臨床機器学および実習」の基礎部分に関する体験であり、実習を通じて身体の仕組みや医療機器の機能と動作原理について学びます。

活動初日にはオリエンテーションを実施し、さくらサイエンスプログラム、本学、そしてプログラムの内容についての紹介を行い、さらにキャンパス内の見学、学生食堂での食事を行って本学について理解を深めました。

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オリエンテーションの様子
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研究室での懇談風景 (手前がTCUの大学院生)

午後からは当学科教員および学生も出席し、KIT引率教員によるKITの紹介を受け、お互いについての理解を深めました。その後参加者は各研究室に案内し、学生間の交流や、実習内容の予習を行いまいした。

オリエンテーションの翌日には、お台場にある日本科学未来館の見学を実施しました。未来館には二足歩行ロボットのショーを始め様々な展示があり、ロボットや環境、宇宙など、学生ごとに異なる分野の展示に興味を持ったようです。

また科学技術以外の側面としては、お台場に置かれているガンダム像に関する情報など、来日した学生らは日本の様々な流行やトレンドについてかなりの関心と知識を持っており、日本に対して相当な興味を持っていることをうかがわせました。

写真2
日本科学未来館にて

プログラムの柱となる実習は11項目の内容で構成され、医用工学科が所有する診断装置および生体計測機器を使用してその操作を体験したり、自ら被験者となって自分の身体から得られたデータを確認したりする内容を、2日間に分けて実施しました。

測定項目は、心電図、筋電図、脳波、血中酸素濃度、脈波、血圧、超音波画像、脳の血流情報など多岐にわたります。またその測定を通じて光に対する脳の反応や運動時の心拍数上昇の様子など、ヒトの身体の仕組みについても学びました。

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脳波測定の実習風景
(被験者となったKITの男子学生の頭部に測定用電極が装着されています)
写真4
超音波診断装置の実習風景
(頸動脈の形態と血流観察)

実習の感想を尋ねたところ、通常は触れることのできない機器に触れられたこと、機器を利用することで自らあるいは友人の身体から様々な情報が得られることに感激したとのことでした。また、はじめて心電図を検査したKITの学生からは不整脈が発見され、その結果に参加者は強い興味を喚起されていました。

このプログラムにはもう一つ、予習、復習を研究室で行ってもらうことにより、実習内容についての話題を仲介として研究室所属の学生とのコミュニケーションを促す意図がありました。

参加したKIT学生にはあらかじめ、実施する実習はTCUの学生全員が実施済みであることを通知して、誰に質問しても良いような状況を作っておきました。実施してみると、もくろみ通りKITの学生は配属された研究室の学生とすぐに打ち解けた間柄となり、大学での活動以外の時間に東京のスポットを案内しながら一緒に楽しんだとのことで、望ましい関係を構築できたと言えます。

帰国前日には成果発表会が行われました。発表は一人ずつ行ない、各参加者は、実施した11テーマの中から印象深かったものを選択して結果や感想について報告してもらいました。また技術的な内容以外にも日本や日本の大学、学生や文化について報告してもらいました。

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発表会の風景 (司会は国際センター職員)

実習内容およびそれらに関わる理論について、はじめて触れるものが多かったにもかかわらず、充実した内容のプレゼンテーションとなっており、参加したKITの学生のレベルの高さと熱心さが伝わってくる成果報告会となりました。

写真8
発表会でのプレゼンテーション (血圧測定について)

発表会終了後には修了式を行い、国際センター長より参加者全員に修了証と記念品が手渡され、全員で修了の記念撮影を行いました。引き続き行われたお別れパーティでは、日韓学生間の交流を再確認しながら本プログラムは幕を閉じました。

写真9
修了証と記念品の贈呈
写真10
修了の記念撮影

写真6
KIT学生・教員とTCU協力学生・教員との記念撮影