2017年度活動レポート(一般公募コース)第198号
インドネシアの若者が、持続可能な流域環境の利用と管理技術を学ぶ
宮崎大学工学部国際教育センター教授 村上啓介さんからの報告
2017年10月29日から11月7日までの10日間、インドネシア・ブラウィジャヤ大学工学部と農業工学部に所属する大学院生4名と学部生6名がさくらサイエンスプログラムで来日しました。
本プログラムでは、自然環境、利用、防災が調和した流域環境管理について、講義と現場見学を交えて適正な流域管理技術について学ぶことを目的としています。自然環境、利用、防災が調和した適正な流域管理はインドネシアにおいても重要な課題であり、本研修は参加した学生にとって有意義なものとなりました。
初日
午前中に日本に到着し、その日の午後に日本科学未来館を訪問しました。
2日目
つくば市にある国土交通省国土技術政策総合研究所を訪問し、土木分野に関係する各種実験施設を見学しました。
3日目
午前中に宮崎大学に移動し、国際連携センター長と工学部長を表敬訪問して宮崎大学での学生生活等について意見交換を行いました。また、夕方からインドネシアからの留学生を交えた歓迎会を学内で開催して日本での生活や研究活動について情報交換を行いました。
4日目・5日目
自然環境、利用、防災が調和した流域環境管理の考え方に関する講義を受講しました。本学工学部の入江教授と農学部の多炭教授の講義では、工学分野と農学分野における流域環境管理の考え方の違いや共通点を学びました。
さらに、九州大学の田井准教授からは、有明海における現地調査データを交えた研究成果から流域環境保全の重要性を学びました。 また、講義終了後には工学部の施設見学も行いました。
6日目
流域管理の現場見学として、治水、環境、利用が調和した流域管理を目的に九州電力が実施しているダム改造現場を訪問しました。ダム本体に排砂ゲートを新たに設ける施工現場では、担当者から工事内容について説明を受けで、とても有意義な技術情報を得ることができました。
7日目・8日目
日本文化の理解と地元の人々とのふれあいを目的に農村民泊を体験しました。
9日目
本プログラム研修の総括として、研修で得られた成果やインドネシアにおける流域管理の問題点等を自らの意見を交えて取りまとめて発表しました。その後に、工学部長に本プログラム研修の成果を報告し、修了証書を受け取って締めくくりとしました。
学生を引率したブラウィジャヤ大学のAKHMAD ADI SULIANTO先生は、宮崎大学で修士と博士の学位を取得した方で、宮崎大学との学生交流や学術交流に積極的に取り組まれており、本プログラム研修を通じてブラウィジャヤ大学と宮崎大学の交流が更に強化なものになりました。
また、全参加学生から非常に有意義であったとの感想を得ることができました。このような機会を与えて頂いた、さくらサイエンスプログラムに深く感謝いたします。