2017年度活動レポート(一般公募コース)第190号
スリランカの若者が、廃棄物処理と環境汚染防止技術を学ぶ
埼玉大学からの報告
埼玉大学では、平成29年10月28日から11月6日にかけて、さくらサイエンスプログラムにより、スリランカ・ペラデニヤ大学より学部学生3名、大学院生2名、引率教員1名を招へいしました。(教員は埼玉大学交流経費による負担)。
今回のテーマは「スリランカ廃棄物処分場の環境汚染防止技術開発」。不適切な管理にともなう廃棄物処分場の環境汚染問題は、送り出し国のスリランカをはじめとして数多くの開発途上国で深刻な問題となっています。これ以上の環境汚染を防止する上でも、スリランカの次代を担う学部学生・大学院生が、我が国における適切な廃棄物処分管理や処分場汚染防止技術を体験し、理解を深めることの意義は高いと思われます。 胞への粗精製液投与の方法を実演した後、招へい者らがその操作を行いました。
また、活動の特徴として、本学レジリエント社会研究センターが平成22-27年度に実施したJST-JICA 地球規模課題対応国際科学技術協力事業(SATREPS)「研究課題:スリランカ廃棄物処分場における地域特性を活かした汚染防止と修復技術の構築」の国際共同活動をベースとし、さらなる若手人材育成を目指して実施された点が挙げられます。
コースでは、(1)本学教員・大学院生・学部生との英語でのディスカッション、(2)環境分析技術の取得(水質・ガス)、(3)廃棄物処理・処分施設の見学、の3つの要素を組み合わせて行われました。
具体的な滞在日程は以下の通りです。
10月28日 | 成田空港到着。埼玉大学へ移動 |
10月29日 | オリエンテーション |
10月30日 | 地盤環境工学研究室大学院生・学部生とのディスカッション、ラボツアー |
10月31日 | 水理工学研究室大学院生・学部生とのディスカッション、ラボツアー |
11月01日 | さいたま市桜環境センター(廃棄物処理施設)見学 |
11月02日 | 埼玉県環境整備センター(廃棄物処分施設、リサイクル工場、他)見学 |
11月03日 | 環境分析実験(1)水質分析 |
11月04日 | 環境分析実験(2)ガス分析 |
11月05日 | ペラデニヤ大学学生による報告会 |
11月03日 | 帰国 |
プログラムの活動内容は多岐にわたりますが、最も大きなポイントとなったのは、我が国の先進的な廃棄物処理・処分施設の見学会です。見学会では、廃棄物の回収、分別、リサイクル、焼却、最終処分に至る一連のプロセスが理解できるよう工夫しました。参加学生らの関心は極めて高く、廃棄物処理・処分の技術的な面だけでなく、適正管理に向けたノウハウや経験などに関する質問も数多く出されました。
スリランカ・ペラデニヤ大学と本学は大学間協定に基づいて、これまで数多くの教員・学生交流、留学生受け入れ、共同セミナー開催、国際共同研究を実施しています。今後も若手人材育成を基軸に据え、密な相互交流に根差した連携を進めていきたいと思っています。
最後に、このような貴重な機会を与えていただいたさくらサイエンスプログラム、およびプログラムに快く協力してくださった全ての方々および機関に、心から感謝申し上げます。