2017年度活動レポート(一般公募コース)第176号
ベトナムの若手研究者が、長野で日本の文化と科学技術を学ぶ
長野県テクノ財団からの報告
長野県テクノ財団では、2017年8月27日から9月2日までの7日間、ベトナム国家大学ホーチミン校の研究機関ICDREC(集積回路設計研究教育センター)から16名の研究者を招へいし、プログラムを実施しました。
2日目
<オリエンテーション・長野県庁表敬訪問>
県と当財団の概要、活動内容および滞在中における留意事項の説明を行った後、県庁を訪問し懇談。近くの寺院「善光寺」では、宿坊にて精進料理を食べ、座禅を組み日本の文化を体験しました。
<ウェルカムパーティー>
連携を図るうえで要となる関係者(県工業技術総合センター、信州大学、長野高専、県ベトナム交流協会、地域企業)らを招待し、ホーチミン市に進出しているMK精工㈱からのプレゼンや和楽器の演奏でもてなし、親睦を深めました。
3日目
<長野県工業技術総合センター視察>
センター概要、製品開発技術等の研究紹介の後、試験研究設備を見学しました。
<信州大学工学部視察>
国際交流室室長より大学の概要、産学官連携による「水」に関する国家的な研究開発プロジェクトについて説明いただき、その中核となる施設を見学しました。
また、電子情報システム工学科の宮地准教授、上口准教授らの研究室を訪問して、集積回路の研究開発等を視察し、ディスカッションを行いました。
4日目
<松本城・黒部ダム見学>
国宝「松本城」を見学し日本の歴史、伝統的建築を、そして黒部ダムでは、近代建築、土木技術について学びました。「大王わさび農場」にて昼食をとり、北アルプスの湧水を活かした農法を視察しました。
5日目
<長野高専訪問>
校長先生はじめ、国際交流担当でもある奥村副校長先生より高専の概要に関して、また、電子制御工学科の吉河先生からはIC設計技術に関してのプレゼンをしていただき、ベトナムには無い教育システムや技術者の育成現場を視察しました。
<不二越機械工業(株)視察>
シリコンウェハー精密研磨装置の開発で世界の半導体産業の発展を支えている同社は、産業技術総合研究所とミニマルファブの共同研究も行っている。ICDRECとは、ウェハーだけでなく、ミニマルファブに関しても連携方策を探る機会を持つことが出来ました。
6日目
<JSTフェア・日本科学未来館訪問>
新幹線にて東京へ。速度のみならず、乗り心地や安全面でも世界的に高い水準を確保している新幹線に乗ることにより、高度な日本の技術を体験してもらいました。
JSTフェアでは、当財団が出展したブースを訪問し、現在進めている研究連携に関しても紹介しました。**JST(科学技術振興機構)
<修了書、さくらサイエンスバッジ授与式>
この訪問では、技術に関してだけでなく、日本の生活様式、食の安全、長寿、街の整備、交通など幅広く興味を持っていただくことが出来、ディスカッションが弾んだ修了式となりました。
帰国後、参加者からは、今回のプログラムに参加できたことに対する感謝と、今後の連携に関するメールがすぐに届きましたた。その殆どに、再度日本を訪れて本格的な研究を行う事を希望している旨の内容が含まれており、実施に協力いただいた関係機関の方々とも情報を共有しながら、今後どのように人材交流・派遣、連携していくかを検討していくこととしました。
このような相互に実りの多い機会を与えてくださったさくらサイエンスプログラムに心より御礼申し上げます。