2017年度活動レポート(一般公募コース)第175号
日本留学への関心を高めた、日タイ高校生科学技術交流プログラム
ユネスコ・アジア文化センターからの報告
ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)は、2017年8月25日から9月1日までの8日間にわたり、タイから高校生15名、引率教職員1名の計16名を本邦に招へいする「日タイ高校生 科学技術交流プログラム」を実施致しました。本プログラムは、さくらサイエンスプログラムの支援を受け実施したものです。
舞台となったのは、名古屋・東京・筑波の3都市です。名古屋城、トヨタ産業技術記念館、名古屋市科学館、名古屋工業大学、ACCU、筑波宇宙センター、サイエンス・スクエアつくば、東京都立向丘高等学校を訪問したほか、歓迎レセプション、ホームビジット、報告会などを実施しました。
日本の優れた技術に触れる
トヨタ産業技術記念館では、世界に通用する質の高い自動車生産技術について学びました。名古屋市科学館では、ギネス世界記録に認定された世界最大のプラネタリウムで、最新の映像・音響システムを体感しました。名古屋工業大学では、触覚技術を用いた装置の体験やワークショップを通して日本の優れた触覚研究について学びました。
名古屋から東京に移動する新幹線乗車時にも、速度や快適さなどから日本の優れた技術の賞賛が相次ぎました。筑波宇宙センターでは、各種展示はもちろん、「きぼう」運用管制室や宇宙飛行士養成エリアを見学し、参加者は宇宙開発をリードする我が国の研究・技術に刺激を受けたようです。
深まる日本・タイ両国の交流
日本の高校生との交流、ネットワーク作りも本プログラムの目玉の1つです。歓迎レセプションには、科学技術交流や国際交流に興味のある日本の高校生が参加し、来日したタイの高校生とそれぞれの関心分野について語りながら楽しいひとときを過ごしました。
筑波宇宙センター、サイエンス・スクエアつくばには、公募で集まった日本の高校生が同行し、見学を通して交流を深めました。東京都立向丘高等学校訪問も、また交流を深める良い機会となりました。同校では日本の生徒、教員から茶道、華道、剣道、和菓子作りなどを学び、日本文化に対する理解が深まりました。
また、日本人家庭を訪問するホームビジットもタイの高校生にとって忘れられない思い出の1つとなりました。
高まる日本留学への関心
本プログラムを通して、日本への留学に興味を持ったタイの生徒も多くいました。日本で留学生活を過ごし、現在も日本で働くタイ人をゲストスピーカーとして招き、話を聞く場を設けました。発表が終わると、40分以上にわたり、絶え間なく質問があがり、日本留学に対する関心の高さが伺えました。
帰国前日に行われた報告会では、交流をした日本の生徒や関係者が見守る中、本プログラムでの学びや成果について発表を行いました。本プログラムに参加した、タイの高校生が日本での8日間の経験を今後の学習や研究に生かしてくれることを、そしていつか留学生として再び日本にやってくることを心から楽しみにしています。