2017年度 活動レポート 第166号:東北大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第166号

将来の研究交流のための基盤をつくった、日中共同研究プログラム

東北大学からの報告

さくらサイエンスプログラムの支援を受け、中国西安電子科学技術大学と陝西経済管理職業技術学院の研究グループを招き、共同研究および研究指導を行いました。来日したのは同大学の教員、大学学部生、大学院生の計11名で、8月26日から9月4日までの間、研究活動を行いました。

研究テーマとしては、近年注目が集まるInternet of Thingsをターゲットに据え、その実現に向けた次世代の端末間通信技術についての研究を実施しました。

まず本分野において独創的な研究活動を展開してきた受け入れ機関の研究室から、IoTおよび端末間通信技術に関する近年の研究動向や基礎的な通信技術について講義を行い、本分野における基礎的な内容について理解してもらいました。

その後、招へい対象者と受入れ側学生で合同でのチームを複数作り、それぞれのチームにテーマ設定を行わせ、交流を深めつつ研究を進捗させていきました。

はじめはなかなかうまくコミュニケーションがとれず、議論が進みませんでしたが徐々に打ち解け、チーム内で活発な議論が行われるようになりました。

今回は限られた期間内での研究の進め方についても学んでもらいため、チームでの研究活動を開始する際、各チームに本事業期間での研究計画を作成してもらいました。

また、招へい期間の途中に成果発表の場を設け、それぞれのチーム間での意見交換や議論を行わせるとともに、実施主担当者およびスタッフから指導を与えることで、当該研究分野における理解を深めると共に、研究計画の見直しを図りました。

各チームが中間発表会での議論を基に研究の進め方を見つめ直し事業期間内に完遂する部分と今後の研究課題とする部分を明確化しました。

そして、プログラムの最後には最終的な成果発表会を行い、本事業で実施した研究についての発表を行いました。どのチームの発表も短期間で実施した研究とは思えないほど完成度の高い発表で、研究テーマについての理解度の深さを伺わせる内容でした。

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成果発表会を聴講する招へい機関の学生と
受け入れ機関の学生
写真2
成果発表会での質疑応答の様子

また、事業終了後にも継続的に交流関係を発展して行うべく、メールやTV会議等を利用した定期的な研究打ち合わせや、共同での論文投稿等を実施していくことを確認しました。

プログラムの最終日には懇親会を行い、東北大学の学生と中国の学生との交流を行い、お互いの文化や研究についてさらに理解を深めました。

写真3
懇親会の様子
写真4
受け入れ機関と招へい機関との交流

本事業に参加した学生は、充実した研究環境の下で研究が進められたことや受け入れ機関からの研究指導に対する喜びを表すとともに、日本での生活を体験し、歴史、文化が理解できたことに対して大変有意義であったとの感想を述べていました。

本事業における交流を通じて、中国の優秀な大学生および大学院生に、受入れ機関である東北大学、ひいては日本における様々な研究活動、文化等に対して理解を深めてもらい、将来の交流のための基盤となったと感じました。

最後に、このような貴重な機会を与えていただいた、さくらサイエンスプログラムにお礼を申し上げます。

写真5
集合写真