2017年度活動レポート(一般公募コース)第151号
アジア19か国の若手研究者とグローバルなネットワークを構築する
麻布獣医学園麻布大学からの報告
2017年8月20日~8月29日の日程で、アジア19か国の23大学から、主に若手教員24人を招へいし、獣医学分野の研修プログラムを実施しました。
本プログラムには、岩手大学、東京農工大学、日本大学、鹿児島大学、以上4校の国内獣医系大学の若手教員も参加しました。彼らは、初めて来日した招へい者が感じる文化の違い等の不安を取り除くためのホスト役だけでなく、日本の代表者として、自らの国際感覚を磨きました。
招へい者らは、異国・異文化の仲間からなる5人一組の6グループに分けられて、実習形式で家畜感染症の予防法について、それぞれの知識を分かち合い、検討しました。ほどんどの招へい者は、初めて、異国の研究者と共に学び、意見を交わし、グローバルな学びの環境に感銘を受けている様子でした。また、いずれの招へい者も、国の代表としての高い意識を持ち、緊張感を持ちながら、積極的に楽しく実習や討議に参加していました。
招へい者らには、これまでの各自の主な研究に関するポスターを作製し、ファイルをプログラム開始前にメール送信することをお願いしていました。事前に送られたポスターは麻布大学で印刷され、プログラム期間を通して、大学内の展示ブースに招へい者全員のポスターを展示しました。
このポスター展示により、麻布大学の研究者やその他の来訪者が、アジア各国の若手研究者による獣医学関連研究について知ることができました。また、ポスターの作成者による口頭説明、および招へい者全員とその他の来訪者による質問のためのコアタイムを設け、それぞれの研究についての討議も行いました。
来日前に招へい者らは、下記2つのレポートも作成していました。
①「動物または人の感染症について」
②「自国の獣医教育について」
①は、招へい者らの母国などで特に最近話題となっている感染症を1つ取りあげ、その感染症について、現状と対策、今後の社会への影響等を論じるものです。プログラムでは、招へい者がレポートに取り上げたそれぞれの感染症について、全員で、診断・治療・予防対策、社会的・経済的影響、食品の安全・国家の安保への影響等を、グローバルな視点で討議しました。
以上のような取り組みを通して、招へい者たちがそれぞれの異なる文化や教育レベルを超え、アジアの若手研究者と学術情報を交換しながら友情を培い、グローバルなネットワークを構築することができました。
本プログラムが、外国人だけではなく、日本からの参加者が国の代表としての自覚を持って国際感覚を養う機会であったことにも、大きな意義があったと考えます。