2017年度 活動レポート 第133号:九州大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第133号

インドネシアの大学と合同サマースクールを実施

九州大学からの報告

九州大学大学院とインドネシア国ガジャマダ大学(大学間MOU締結校)の理学部による合同サマースクール「"シリコーン光学技術"による環境・健康センシングのためのワークショップ」(以降SS)が2017年8月19日から8月25日の7日間、実施されました。 本SSにはウシオ電機も外部協力企業として参加し、講師派遣などをして頂いております。九州大学の主催者としてはI&Eビジョナリー特別部門・ユビキタス研究グループの興雄司教授と森田金市受託研究員・吉岡宏晃助教、応用化学部門の今任稔彦教授と石松亮一助教が参画し、前者は「モバイルな分析化学」の光学システムの理論・技術面を、後者は分析化学の観点からの計測理論・技術面をサポートしました。

招へい者は、インドネシアの分析化学では有数の若手研究者であるDr. Suhermanと、同大学大学院生4名、学部生2名です。

<8月19日(土)>

招へい者到着後、午前中に九州大学伊都キャンパスへの移動し、午後はSSのインストラクションと7日間の滞在のための現地視察・見学を行いました。特に7名中6名はムスリムでしたが、九州大学はハラールフードの対処が進んでおり、招へい者の食事を欠かすことなく、日本滞在時における学習・実習に専念できる体制を整えました。

写真1
到着初日、九州大学伊都キャンパスを見学する招へい者の様子

<8月20日(日)>

午前中は、ウシオ電機よりの招待講師から、産学連携の中から生まれたポータブル分析技術のコア技術「シリコーン光学技術(SOT)」の産学連携戦略の講演。午後は産学連携成果PiCOEXPLORERのためのワークショップを実施しました。

写真2
ウシオ電機新規開拓室江橋信俊氏による産学連携とモバイル分析に関する講義の様子
写真3
ポータブル分析機器の利用法によるワークショップの様子。モバイルデバイスと連携して計測できる環境の構築法を学ぶ

<8月21日(月)>

午前は、興雄司教授の方からSOTにおけるコア理論と、ユビキタスなセンシングの可能性をレクチャー、午後は引き続き計測の測定精度を上げる練習を行いました。

写真4
興教授による光学技術側面の講義と、ポータブル分析機器の開発スキームの解説の様子

<8月22日(火)>

午前中は九州大学の学生も参加し、招へい学生の中間発表会を実施しました。光学の研究をする大学院生と招へい学生の間での異分野の学術交流を行いました。午後には、今任稔彦教授が分析化学研究の最新情報等の講義を行いました。

写真5
ガジャマダ大学学生におる中間発表の様子。まだモバイル計測になれない学生もいて、計測精度には改善の余地が見られるケースもありました。
写真6
今任教授による分析化学のレクチャーの様子

<8月23日(水)>

午前中に水中金属の標準液を石松亮一助教の元、今任研究室で作成・計測を行い、その後フィールドを模した講義室で個々の計測システムを使って検量線作成・計測を行いました。午後は酵素測定のケーススタディーとして在宅でのγ-GTP測定を取り上げ、石松助教のインストラクションレクチャー後、標準液作成、その後再び講義室で時間変化測定という高度な測定を各自実施しました。

写真7
石松亮一助教のサポートの元、水中金属計測のための計量準備を行う学生達
写真8
標準液を計量後は、学生は個々のモバイル分析器を使って、屋外を模した講義室津で計測しデータを取っていきます

<8月24日(木)>

午前には最終発表会です。前日までの結果を一人15分ずつプレゼンして貰い、教員がその内容を採点しました。午後は九州大学学生と招へい学生の意見交換、各教員の総評を頂き、最後にさくらサイエンスプログラム修了証の贈呈と、最終就学生発表、記念品贈呈を行い、プログラム全行程が終了しました。

写真9
最優秀学生となったDewi Supurabaさんの発表スライド。最も精度の高い計測が、低いノイズ下で
実施できていました。
写真10
SSPの修了証授与・最優秀発表賞発表後の記念撮影

<8月25日(金)>

早朝に招へい者を福岡空港に送り届け、無事送り出すことで、本SSを終了致しました。