2017年度 活動レポート 第122号:富山大学大学院理工学研究部

2017年度活動レポート(一般公募コース)第122号

脱炭素化社会をめざして先端材料を開発する日越交流

富山大学大学院理工学研究部からの報告

平成29年10月6日(金)から10月15日(日)、富山大学大学院理工学研究部(材料機能工学専攻)では、ハノイ工科大学(ベトナム)の材料系大学院に在籍する学生2名、ポスドク1名、引率教員1名、計4名を受け入れ、さくらサイエンスプログラムによる交流を実施しました。

平成29年2月にハノイ工科大学と本学は大学間交流協定を締結し、研究者及び学生の交流を促進する体制が整いました。平成29年2月27日~3月7日の期間、さくらサイエンスプログラムで、ハノイ工科大学材料科学工学院の大学院生10名引率教員1名)を招へいし、”高エネルギー効率社会の基盤材料に関する先端研究と先進技術のアクティブラーニング”を実施し、充実したプログラム成果を上げました。

これらの実績を踏まえて、より高度な共同研究を実施し、本学が実施する国際フォーラムで研究成果発表を行うプログラムを計画をしました。

本プログラムでは、ベトナム・ハノイ工科大学中で、特に軽金属材料の鋳造・熱処理・組織制御を行っている大学院生とポストドクターを招へいし、本学の材料機能工学専攻の教員および大学院生と共同研究を行うと同時に、地域連携企業で見学を計画しました。

<1日目>

夜の到着となったため、宿泊のホテルへ移動のみとなりました。

<2~3日目>

初めにオリエンテーションを行い、午前中はアルミニウム合金の電気・熱・磁気特性に関する討論を行いました。午後から3日目午後まで組織制御研究室でアルミニウム合金の凝固条件とミクロ組織・マクロ組織に関する講義と討論会を行いました。

写真1
組織制御に関する講義風景
写真2
討論の風景

<4日目>

北陸の歴史と文化を学ぶ目的で、富山県南砺市の相倉合掌造り集落と石川県金沢市の兼六園・金沢城を見学しました。

写真3
世界遺産 五箇山

<5日目> 地域の鉄鋼材製造企業の見学として大平洋製鋼(株)を訪問しました。そこでは企業技術者と専門的な議論が行われました。午後には高岡市にある(株)能作で金属の鋳造に関する工場見学を行いました。鋳造は、参加者の専門でもあり、活発な質疑・応答が行われました。

写真4
企業訪問 大平洋製鋼(株)
写真5
(株)能作

<6日目~7日目>

金属材料の走査型電子顕微鏡及び透過型電子顕微鏡観察に関する演習と実験を行いました。高分解能透過型顕微鏡を実際に操作するのが初めてであり、とまどいもありましたが、非常に感銘を受けていました。また、国際フォーラムでの発表資料の作成を行いました。

写真6
電子顕微鏡試料作製風景
写真7
電子顕微鏡での実習風景

<8日目>

第3回先端材料フォーラム(富山大学主催)に参加し、プログラム成果の発表および参加者との交流を行いました。世界各国から材料研究に携わる研究者が集まりました。

写真8
フォーラム発表の風景
写真9
フォーラム会場の風景

<9日目>

プログラム参加学生と学科教職員および大学院生による討論会と修了証授与式、そして送別会を行いました。

写真10
修了式の様子

この交流を通して、材料工学に関する高度な共同研究が実施されました。アンケート結果は、全員が今回の日本訪問について” Very satisfied”と回答しました。