2017年度 活動レポート 第121号:中央大学理工学部応用化学科

2017年度活動レポート(一般公募コース)第121号

専門分野への理解、そしてお互いの絆を深める日台学生交流

中央大学理工学部応用化学科 片山建二さんからの報告

中央大学では、2014年度からさくらサイエンスプログラムによる日本とアジアの学生交流プログラムを実施しており、2017年度は、台湾国立中央大学の大学院生10名と教員1名、計11名を受け入れるプログラムを行いました。(2017/7/27~8/4)

台湾国立中央大学と本学とは、大学間協定を結んでおり、以前より科学分野での学科間交流を深めています。過去にワークショップを2回ほど実施しており、今回のプログラムでは、さらに学生間の交流を深める意味で、大学院生をそれぞれの専門分野に合わせて、各研究室に配属し、短期の実験およびプレゼンテーションをすることで、お互いの専門分野をより深く理解し、今後の更なる交流を深めていくことを目的としました。

<オリエンテーション&キャンパスツアー>

中央大学理工学部長の石井学部長とProf. Lin(台湾国立中央大・理学院長)からご挨拶をいただき、その後に、本プログラムの目的とスケジュールおよび滞在時の注意事項などの説明がありました。キャンパスツアーでは、計算力学研究室(都市環境学科 樫山和男教授)を訪問し、VR技術による都市部のシミュレーション映像を体験しました。

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引率教員のProf.Yau(左)と石井学部長(右)
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オリエンテーションの様子

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VR技術による都市部シミュレーションの説明風景

その後、近隣施設(文京区役所:シビックセンターや東京ドームなど)を訪問し、大学に戻ってからは、学科での全体説明を受け、各研究室へ分かれて打ち合わせを行いました。夕方には、全員でウェルカムパーティを開催し、両校の学生や教員の親睦が深まり、良い雰囲気ができていました。

<JAXA見学>

「宇宙空間でのたんぱく質結晶化」の研究を本学応用化学科の小松晃之教授とJAXAの吉崎泉博士が共同で行っており、吉崎博士から、ロケットや宇宙空間での生活にとどまらず、宇宙空間でのたんぱく質の結晶化についての詳しい解説をいただきました。台湾国立中央大学の教員や学生からも活発に質問があり、大変有意義な見学となりました。

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JAXAでの吉崎博士から説明を受けている様子

<講義・実験>

本学応用化学科の教員が研究内容の講義を行いました。講義は、触媒有機化学、人工血液、表面化学、天然物の合成、電気化学活性液晶、光応答性電極、二酸化炭素吸収材料、超臨界分解と多岐に渡り、台湾国立中央大学の学生はとても真剣に聞いていました。

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新藤教授から表面化学に関する講義
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授業に聞き入る台湾国立中央大学の学生

それぞれ配属された研究室に分かれ、光触媒材料の電荷ダイナミクスの測定、光応答性液晶の作成、水熱反応による高分子の分解反応、天然物の合成、光応答性電極の作成、触媒分子の合成、人工血液の合成など様々な実験に取り組みました。とても熱心に実験を行い、22時過ぎまで実験に没頭する姿も見られました。

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表面測定を行っている様子
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電気化学実験をしている様子

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天然物合成を行っている様子
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有機合成実験をしている様子

<最終発表会とFarewellパーティ>

それぞれの研究室での活動成果を、プレゼンテーションの形で発表を行い、互いに非常に活発な議論が行われました。 最後に、参加した学生のそれぞれに修了証を贈呈しました。その後、フェアウェルパーティを開催し、さらなる親睦・交流を深め、本プログラムが終了いたしました。

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プレゼンテーションの様子
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修了証授与

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全員で記念撮影

今後、本プログラムでの絆をもとに、さらに交流が深まってくれることを期待し、優秀な研究者に成長してくれることを願っています。