2017年度活動レポート(一般公募コース)第120号
研究成果以上の効果を実感した、日・タイ共同研究プログラム
横浜市立大学からの報告
横浜市立大学では、「さくらサイエンスプログラム」の支援を受けて、2017年7月3日から23日まで、チェンマイ大学の学生4名および引率の教員1名、計5名を横浜市立大学へ招へいし、共同研究活動やワークショップ、横浜市立大大学の学生との交流活動を実施しました。
研究内容は、横浜市立大学量子物理化学研究室の所有する経路積分分子動力学プログラムコードを用いたformic acid–formamidineの二重水素移動などに関する量子シミュレーションを主に行いました。日本の最先端研究に触れ、また文化を学んでいただくために、海洋研究開発機構や小学校の訪問も行いました。
<3rd Japan-Thai Workshop on Theoretical and Computational Chemistry 2017>
横浜市立大学にて日本-タイワークショップを行いました。タイからは10名が、日本からは7名が講演を行いました。その際、北海道大学、茨城大学、理化学研究所、分子科学研究所から招待講演を行っていただきました。本ワークショップは量子化学の最先端研究を取り扱ったもので、日本人とタイ人を交えた活発な議論が行われました。
<桜林小学校 訪問>
横浜市杉田区にある桜林小学校を訪問しました。タイの遊びや文化、挨拶などを小学生に教え、授業を参観しました。踊りを含めたタイの「じゃんけん」が子どもたちに大変人気でした。その後2名ずつに分かれ、子どもたちに給食を給仕してもらいました。
その際、折り紙や音楽のサプライズプレゼントまであり、タイ人たちは幸せそうでした。言葉がしっかりと通じなくても、子どもたちはがんばって英語を話そうとしてくれたり、手振り身振りでコミュニケーションを取ったりとしてくれて、子どもたちの交流力の豊かさを見ることができました。
<JAMSTEC>
小学校訪問と同日に、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の横浜研究所を訪れました。世界最高性能レベルのスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」に関する展示を見ていただきました。JAMSTECの見学エリアは、近所の小学生たちも日頃から勉学等で利用できるように解放されている施設のようで、午前中に出会った子どもたちと再会することもできました。
<タイカレーパーティ> 最初の週末には、日本の学生たちと協力しながら、タイグリーンカレーをはじめとするタイの伝統料理を作っていただきました。学部生や他の研究科の先生もお呼びし、和気藹々とした雰囲気となり、参加者全員にとって良い思い出になりました。
<鎌倉・江ノ島散策>
2週目の週末には、鎌倉および江ノ島で日本の文化に触れる機会を設けました。鎌倉駅、鶴丘八幡宮、鎌倉大仏、小町通り商店街、江ノ島電鉄、江ノ島という順序で観光しました。食事の際に、辛い調味料の山盛りをかけているタイ人らしい姿は、周囲の日本人を驚かせていました。またタイ人の多くは写真好きのため、珍しい景色を沢山自身のカメラに収めていました。
およそ20日間のプログラムでしたが、毎日が充実し、あっという間に過ぎてしまいました。帰国後も、学生間でやりとりが続いている様子を見て、研究成果以上の効果がさくらサイエンスプログラムで得られたと改めて実感しています。今後も横浜市立大学とチェンマイ大学の交流活動や共同研究を続けていく所存です。