2017年度 活動レポート 第119号:兵庫県立神戸高等学校

2017年度活動レポート(一般公募コース)第119号 (Aコース)

シンガポールの高校生との科学を通じた交流

兵庫県立神戸高等学校からの報告

<シンガポールの姉妹校から高校生を招へい>
兵庫県立神戸高等学校では2017年8月22日~8月29日、シンガポールのラッフルズインスティテューション(以下RI)から9名の高校生を招き、交流を行いました。8日間に渡る交流プログラムの内容は主に科学を通した交流活動(高校生との交流、大学研究室での交流、企業における交流)でした。

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神戸高等学校正面玄関前での集合写真

<高校・大学・企業における科学を通した交流>
RIはシンガポール有数の進学校であり、高校卒業後は海外の大学に進学を希望する生徒が少なくありません。また国土の小さいシンガポールは、限られた資源を使って経済発展を図るために科学技術系人材の育成には特に力を入れており、海外の大学や企業に積極的に進出していく人が多くいます。

そのようなRIの高校生に、日本で留学生や研究者として活躍することを具体的にイメージしてもらうため、本プログラムは高校生との交流、大学研究室での交流、企業における交流を中心に企画しました。

<神戸高校生との交流>
神戸高校生との交流は主に、「研究発表プレゼンテーション」「自然科学研究会との交流」「モデルロケット打ち上げ実験」にて行いました。

スーパーサイエンスハイスクールに指定されている神戸高校では、総合理学科の生徒が課題研究の授業において主体的に研究活動を行っています。また神戸高校では研究発表に関して、英語で発表する機会を大切にしており、そのための指導も行っています。総合理学科や自然科学研究会の生徒とシンガポールの高校生たちは英語でコミュニケーションを取りながら、お互いの研究成果を発表し合ったり協働して科学工作を行ったりしました。

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研究発表プレゼンテーション(RIの生徒による発表)
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自然科学研究会との交流(科学工作:風に向かって動く車)
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モデルロケット打ち上げ実験(モデルロケットの作成)
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モデルロケット打ち上げ実験(打ち上げ、定点着地競技)

<大学の研究室での交流>
京都大学大学院エネルギー科学研究科を訪問した際には、エネルギーの確保や環境の保全に関する講義や研究施設の案内を、グループに分かれてして頂きました。シンガポールから招へいした高校生の中には、エネルギー問題や環境問題を個人的な研究テーマとしている者もおり、大学教員や大学院生に積極的に質問をしていました。またグループに分かれて案内して頂くことにより、研究設備や実験器具に関する詳しい説明を受けることができました。

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京都大学大学院エネルギー科学研究科訪問

<企業での交流>
企業訪問では医療機器や試薬の開発・製造を行うシスメックス(株)を訪れ、企業の活動に関する説明を受けた後、施設見学および研究職の社員の方々との交流を行いました。

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シスメックス株式会社訪問(集合写真)
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シスメックス株式会社訪問(社員の方による講義)

社員の方々との交流の時間では、中国出身の若手研究員の方から経歴や研究内容に関するお話しを聞いた後、質疑応答の時間をとって頂きました。また別の社員の方からは、研究の領域を選ぶことに関する話や、1日の勤務の内容についての話を聞くことができました。シンガポールの高校生にとって、日本の企業で働くことが具体的にイメージできたと思います。

本プログラムにおいて、RIから招へいした高校生には、日本の科学技術に関して学び、交流する機会を持ってもらうことができました。さくらサイエンスプログラムをはじめ、支援・協力を頂いた関係者の皆様にお礼申し上げます。ありがとうございました。