2017年度活動レポート(一般公募コース)第118号
共同演習・ものづくり基盤技術をとおした日・タイ学生交流
久留米工業高等専門学校からの報告
久留米高専は平成29年6月25日~7月1日の7日間、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、タイのキングモンクット工科大学ラカバン校(KMITL)から学部生4名と引率教員1名、同じくタイのカセサート大学(KU)から学部生5名を招きました。
本プログラムの序盤では、両大学および久留米高専の学生が自身の国や関心事、そして研究内容について英語で発表し、質疑応答も英語で行いました。また、英語の授業にも参加して、高専生との国際的なコミュニケーションを実施しました。
放課後は、ロボットコンテスト部やプログラミングラボ部を見学し、その活動内容について多くの質問や意見交換が行われました。さらに、同時期にKMITLおよびKUから本校へ特別聴講生として2ヶ月近くの研究活動に来ていたタイの大学生たちとも交流し、研究室見学のほか、日本での生活や利用している留学プログラムについてのアドバイスを受けていました。
プログラムの終盤では、本校の工学教育の基盤でもある「ものづくり教育センター」や「総合試作技術教育センター」を訪れ、旋盤やフライス盤、ホブ盤などの工作機械、そして、木型や鍛造・溶接の実習工場、走査型電子顕微鏡も間近で見学しました。
さらには、電気電子工学科や材料システム工学科、制御情報工学科、生物応用化学科の学生実習も見学しました。各学科の学生実験の様子を実際に見ることで、タイの大学生たちは日本の工学教育の現場を肌で感じることができたと思います。
また、久留米市にある福岡県青少年科学館のほか、宮若市に位置するトヨタ自動車九州(株)の自動車工場と、北九州市にある(株)安川電機のロボット村の見学も実施しました。タイの大学生たちは興味津々で、撮影を許可された場所ではたくさんの写真を撮り、係の方にも様々な質問をしていました。
これらの内容を通じて、日本のものづくりの基礎教育と生産技術を目の当たりにし、未来の工学分野で活躍する彼らに非常に良い刺激を与えられたと思います。
本プログラムでの実体験は、帰国を惜しむ彼らにとって、日本の科学技術や文化に対する興味関心の強化に繋がったと考えられ、さくらサイエンスプログラムの大きな目的のひとつが達成されたと言えるでしょう。