2017年度活動レポート(一般公募コース)第111号
中国の歯学生が、最先端歯科再生医療学・災害歯科医療学を学ぶ
東北大学大学院歯学研究科からの報告
東北大学大学院歯学研究科では、2017年10月11日~10月18日、中国の歯科基幹校である北京大学口腔医学院、四川大学華西口腔医学院、天津医科大学口腔医学院および福建医科大学口腔医学院の4大学から大学院生8名および学部学生2名(計10名)を招へいし、歯科再生医療学・災害歯科医療学に関する短期研修を行いました。
東日本大震災以後、東北大学大学院歯学研究科は災害現場で培った豊富な経験から、日本でリーダー的な役割を果たしていて、研究・教育・実務経験等でトップレベルを維持しています。また、東北大学大学院歯学研究科は再生医療研究センターを2014年に設立し、基礎研究から臨床応用まで、歯学再生医療の教育、研究、実用化に取り組んでいて、高いレベルを誇っています。
今回の8日間の研修期間中、学生たちが受けた研修は多岐にわたりました。東北大学歯学研究科では歯科再生医療学集中講義、災害歯科医療学講義を受講、さらに歯学研究科や病院の見学し、日本人在学生たちとも交流を行いました。また、日本最大の歯科材料メーカーである(株)ジーシーの研究所および本社を訪問し、歯科材料に関するハンズオンセミナーも行いました。被災地実地研修では南三陸町を訪問し、またトヨタ自動車東日本株式会社大衡工場での見学も行いました。
<歯学研究科で学ぶ最先端の歯科再生医療学研究>
歯学研究科では、歯科分野で行っている歯科再生医療学に関する最新の研究取り組みを集中講義の形式を通し触れることができました。また、研究環境および病院マネジメントなどについても見学しました。
<被災地での歯科活動の実態研修>
東日本大震災により被災した宮城県南三陸町では、南三陸町公立志津川病院歯科部長で、東北大学卒業生の斎藤政二先生から、震災時の様子や災害復興の道のり、被災地での歯科活動、復興における歯科医療のあり方について講義がなされました。さらに、被災現場の見学を通じ、復興の様子、災害に直面した時、何をするべきかについて説明をしてくれました。
<歯科材料研究開発の最先端>
その後、東京に移動し、(株)ジーシーを訪問しました。研究所では、歯科材料の研究開発について説明を受け、学生たちは研究所の環境の素晴しさ、社員が歯科材料開発へ熱心、取り組みについて感銘を受けていました。本社の訪問では最新の歯科材料・器械の現状や販売状況について説明を受け、さらに最新歯科材料を用いたハンズオンセミナーに参加し、歯科材料の使用方法などについて学習しました。
<日本の最先端化学技術と環境に優しいもの作り>
トヨタ自動車東日本の工場では、自動車製造における日本の最先端科学技術のみならず、災害時における官民連携、地域産業との連携・環境に優しいもの作りについても学びました。
最終日には、8日間参加したプログラムで勉強できた成果について発表を行い、日本人学生や他の留学との意見交換を行うことができました。今回のプログラムは日本人学生との交流にも重点をおき、被災地実地研修には日本人学生も一緒に参加し、さらに、留学生と日本人学生のグループ交流も数回行い、アジア地域における歯学国際ネットワークの早期構築に大いに貢献しました。