2017年度活動レポート(一般公募コース)第103号
北九州環境未来都市で学ぶ、日本の新しい環境理念
北九州市立大学国際環境工学部 高 偉俊さんからの報告
日本近代産業発祥の地である北九州市は、「環境で成長する街」「共有社会の創造」のキーワードの下、官民協働で環境まちづくりに取組んできました。現在、コジェネ発電、環境共生マンション等数多くの環境施策が実施されています。
本共同研究活動では北九州スマートコミュニティ創造事業における高効率のエネルギーマネジメントサインスへの取り組みを学習することを目的とし、わが国の新しい環境理念・科学を世界に広げていきたいと考えました。
今回の助成を受け、2017年7月27日~8月5日の日程で中国長安大学5名、青島理工大学から5名の学生および教員1名が約10日の北九州環境未来都市におけるスマートシティ学習プログラムに参加しました。
講義では、環境負荷低減及びエネルギー有効利用を期待できる水素・ゼロカーボン技術を最大限活用し、建築デマンドサイドを重視したクリーン、高効率及び高信頼度のエネルギーマネジメントシステムを学習することを目的とし、主に下記の内容についてレクチェしました。
①エネルギーマネジメントシステムの構築理論
②ゼロカーボン技術によるESCO事業およびクレジットの制度の構築
③スマートグリッドに対応した省エネシステム導入効果
④スマートネットワークの信頼性とセキュリティの検証
北九州市では1997年に国からエコタウン事業、2008に北九州環境モデル都市、2010に北九州スマートコミュニティ創造事業、2011に北九州市環境未来都市に指定され、今まで環境・エネルギー分野で我が国の最先端を走っています。
多くの実証の場があり、エコタウン、東田スマートコミュニティ、皇后崎スーパーごみ発電所、学研都市環境エネルギー事業、メガソーラ―や城野ゼロカーボン街区等のように多くの取り組みを行っているので、特別講義、研究室訪問などの活動以外にそれらの施設見学を行いました。
その以外に、スマートハウス、有名な建築家の作品も調査し、隙間を見て、日本文化の体験も行いました。
さくらサイエンスプログラムの10日間があっという間に過ぎてしまいました。北九州市が環境未来都市として取り組む都市構造、交通、ライフスタイル等に係る施設を見学ができ、また、講義を通して環境負荷低減及びエネルギー有効利用を期待できる水素・ゼロカーボン技術を最大限活用し、クリーン、高効率及び高信頼度のエネルギー供給システムを目指すスマートシティの取り組みの理解を深めました。
最後、プログラムのまとめおよび報告を行い、修了証書を渡しました。
当初の目標が達成し、本プログラムを機に、参加者たちが自国ないしアジアの新しいエネルギー産業および環境産業の振興へ貢献する人材になっていくことを期待できると思います。